King Crimson(キング・クリムゾン)の1974年発表のアルバム『
RED』の、バンドのデビュー40周年盤。日本盤は紙ジャケットですが、デジパックの輸入盤で購入。
69年の1st、70年の3rd、そして74年の7thとなるこのアルバムの3枚がまず発売になっているのですが、今回の40周年シリーズはCDとDVD AUDIOの2枚組。
ウチのCDコンポ、SHARPの『SD-VH90』という機種はもう6年くらい前のものながら、CD・SACD(Super Audio CD)・DVD AUDIO/VIDEOが全て再生出来るので重宝しています。
今回のこの盤も、10数年前から聴いているアルバムがどういう音で聴けるのか興味があったので購入。
非常にマルチに再生出来るSHARPのコンポなのですが、サラウンドアンプへの出力は、SACDとDVD AUDIOはステレオのみでしか再生出来ないということで、
MLP Lossless 5.1chサラウンド(48kHz/24bit)は諦めて、サラウンドアンプにつないでのDTS 5.1chサラウンド(48kHz/24bit)と、コンポ単体で再生出来るMLP Lossless 2.0ステレオ(96kHz/24bit)を聴く。
DTS 5.1chサラウンド(48kHz/24bit)はDVD VIDEOとして再生しているので、要はいつものDVDのサラウンド。
しかし、ドラム・ベースにギター数本+曲によって管とメロトロンという割り合い少ない楽器数の音は360度に振り分けられて、だいぶ曲の印象が変わる感もあり。
印象に残ったのは1曲目の表題作「Red」の間奏部分でのサラウンド感と、最後の(このあとバンドは解散したので、バンドの最期をも飾った)「Starless」の終盤部分でメロトロンが周囲から鳴り響くあたりでしょうか。
モノラル→ステレオと進歩してきたオーディオの世界ですが、スピーカー2本の世界から進歩が緩やかになって数十年。
5.1ch以上のサラウンド環境が普及しないのは設置が大変だったり、SACDとDVD AUDIOのフォーマットが両立していてしまったりという事情もあるとは思いますが、
スピーカーの数が変われば曲の印象も劇的に変わったりもするので、もうちょっと聴く機会が増えていけばいいなと思います。
さてサラウンドでけっこう満腹感があったので、MLP Lossless 2.0ステレオ(96kHz/24bit)はあまり期待せずに再生したのですがこれはスゴい(汗)。
ウチはサラウンドアンプにつないでいる5.1chスピーカーより、コンポのステレオスピーカーの方がサイズが大きくて音に余裕があるということを差し引いても、異常に分離の良くて太い音。
特にドラムのハイハットとシンバルの音は非常にリアル!
メロトロンってこんなに音が太いのかともけっこう衝撃を受けました。
携帯電話の音楽ファイルの圧縮された音質を聴くと「ああ音悪いなぁ」と思いこそすれ、特にそれ以上はなにも思わないのですが、良い音質を聴くと驚きとちょっと幸せな感情になるというのは不思議なもので。
10数年聴いたアルバムでまた新しい体験が出来ただけでも買った価値はあったかと。
一般的に評価の低い3rdアルバム『Lizard』も、サラウンド版の評価が高いらしいので、買うかどうか悩むことになりそうです(爆)。