2010年06月15日

有栖川有栖 / 孤島パズル

有栖川有栖氏の1989年、というかデビュー2作目の作品『孤島パズル』。
面白かったので一気に読んでしまいました。

Kotou

表紙にあるような(日本の)南海の孤島で起こる連続殺人。孤島に行った理由というのは(現代的な)地図を解く宝探しで、その解明と殺人事件の両方を進めていくストーリー。
殺人事件に関しては、こういうUの字の地形だとトリックは色々連想されてしまいますが、それをここで書くのはあまりにアンフェアなので(汗)。

そういったトリック以外の部分の感想としては、「学生アリスシリーズ」ということもあって、なにか青春的な爽やかさが全編の空気にあるかと。
2つの殺人は夜起こりますがあくまで単発で、そこから大量殺人になってしまうような暗さを感じないというか。
なにか乾いている感のある、そういった学生生活の良い雰囲気というものが醸し出されているのも、この学生アリスシリーズが大きな人気を得ている1つの理由なんじゃないかと。
推理小説としては完全なパズルですんで、その部分での人気も当然あるとは思いますが。 

自分の年齢にも近い「作家アリスシリーズ」の方が、シリーズトータルとしては好きなんですが、「学生アリスシリーズ」の次作に当たる『双頭の悪魔(1992年作)』も早目に読んでいきたいと思います。


Posted by toshihiko_watanabe at 20:16│Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加  

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