2009年10月19日

有栖川有栖 / スウェーデン館の謎

Sweden

有栖川有栖
氏の『スウェーデン館の謎』。
昨日の夜に読み始めましたが、2日かからず読了。

エラリー・クイーン に倣った「国名シリーズ」の第2弾ですが、今回は福島の裏磐梯に建てられた、スウェーデン風のログハウスが舞台。

その家に住む、バイカル海豹(あざらし)のような風貌をした絵本作家とスウェーデン人の夫人。4年前に事故死した2人の間の1人息子。
そして東京から宿泊にきていた挿絵画家の姉妹らを登場人物として話は展開していくわけですが。

被害者の発見現場はログハウスから30mほどの距離にある離れ。
状況は推理小説ではお約束ともいえる、前日夜に降った雪により、あるのは離れに向かう被害者の足跡と第一発見者が発見→通報のために往復した足跡のみ。
そして折られた煙突、厳寒の中開け放たれたドアとが謎となるメインの部分ですか。

トリックもともかく、話の展開としてすべてが出揃ったところで探偵役(火村助教授)が容疑者を集めて真犯人を指名するなど、推理小説としてはかなり王道の路線。

ただこの作品に普通の推理小説と一風違った風味を与えているのは、スウェーデン風のログハウスと住人の絵本作家という題材に加えて、亡くなったハーフの息子や、絵本作家が読者として思い描く子供達。
しかし展開はやっぱり王道で、良い意味で安心して読めた1冊だったかと。


また裏磐梯の風景は、自分の母方の一族が東北出身ということもあり、ちょっとノスタルジックな思いも持ちつつ情景を思い浮かべられましたよ。

まあ雪が積もってさえいれば、殺人事件の現場としてはどこでも良いんじゃないかとも思いますが



Posted by toshihiko_watanabe at 22:40│Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加  

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