弾く機会が無くなっていた楽器3本をヤフオクで売却したという記事を書いたのがもう1年も前(汗)。
この楽器整理で自分が所有するエレクトリックベースギターは2本となって、1本はフレットレスなので普通に弾くベースとしては1973年製のFender JazzBassだけ。しかしこちらも製造から50年が経過してオールド/ヴィンテージと呼ばれる世代になって(実際はリフィニッシュしているのでそこまで価値は無いのだけど)、外に持ち出しての破損や盗難は怖いなという楽器に。
ここ20年くらいは5弦ベースは1本は所有している状態だったし、3本の楽器の売却金を軍資金に新しく5弦ベースを買おうということで各メーカーでいろいろと検索。
最後に弾いていた5弦ベースのIbanez ATK 315を手放した理由が重すぎたからというのがあったので、今回買うベースは絶対に軽いものにしようと。そういうこともあってヘッドレスのモデルを候補に探していったのだけど、そうなるとメーカーもけっこう絞られる。
ヘッドレスの元祖のSteinberger(スタインバーガー)やそのネッド・スタインバーガーが現在やっているNS Design、Bacchus(バッカス)に.strandberg(ストランドバーグ)あたりが候補ということになったのだけど、自分が最初に買ったベースはIbanez(アイバニーズ)のものだったし通算でベース3本ギター1本を所有してきたということでの信頼と思い入れもある。
ということでIbanezのヘッドレスベースのモデルのEHBシリーズから選ぶことに。EHBシリーズを選んだのは、ピックアップがパッシブだったというのも理由の1つですが。結局自分はアクティブピックアップのサウンドはあまり好きではないので。
最初に候補にしたのはEHB1265MSというモデル。EHBシリーズの他の5弦モデルだとノーマルとマルチスケール/ファンフレット(低音弦の方が長くなっていてフレットが斜めに打たれている)の2タイプがあるのだけど、このEHB1265MSはマルチスケール/ファンフレットのみ。MSはマルチスケールの略。
ただボディー材はトップがウォルナットにバックがアッシュとなっていて、他のEHBシリーズのEHB1505MSなどはトップがポプラバールにバックがアフリカンマホガニーなので、そちらの方がおそらく軽いのかなと。
ということでEHB1265MSとEHB1505MSのそれぞれをYahoo!ショッピングのブックマークに入れて、セールになるかポイントが大きく増えるタイミングかを待つことにしてそこから数ヶ月が経ったのだけど、EHB1505MSが約2万円引きと定価で4万円違うEHB1265MSよりもちょい安くなるセールにしたショップがあって、即注文確定。送料込み税込み159,800円で8%のポイントバックだった。この購入は去年の話で、その後価格改定されて定価が上がってしまったので今は新品はこの値段ではおそらく買えない。
そして届いたIbanez EHB1505MS。カラーはBIF(Black Ice Flat)。自分は楽器のカラーはナチュラルが1番好きなのだけどこのモデルには無いので、3色の中で1番人工的な色付けでは無い印象のもので。ここに載せた何枚かの写真でもそうだけれど、光の当たり加減でボディーの明るさがけっこう変わって見えるのは面白い。
重量は3.4kgで、4.8kgもあったATK 315よりものすごく軽いし4.0kgのJazzBassよりも軽い。というか3.6kgのエレクトリックギターのFender Stratocasterよりも軽いというのが不思議。
ヘッドレスなのでチューニングはブリッジで。サドルは1.5mm程度だけれど左右に動かすことが出来て、自分は弦の間隔は狭い方がいいので狭める方にセッティング。
2段のトーンコントロールで多彩にサウンドを操作出来るけれど、自分は音作りはベース本体側ではいじらないので触ることはなし。イコライザーのバイパススイッチもEQ OFFにしている。ちなみに9Vバッテリーが入っているので実はアクティブピックアップなのかと思ったのだけど、バッテリーを抜いてバイパススイッチをEQ ONにしたら音が出なくなってOFFにしたら普通に音が出るので、パッシブピックアップでイコライザーにのみ電力を使っているということらしい。
シールドを挿すジャック部分はロック式になっているのだけど、これは自分には要らなかった。赤い部分を押し込むとシールドが抜けるようになるのだけど、両手を使うので面倒だなと。
ちなみにクリップ式のチューナーはネックの先端に挟もうと思えばギリギリいけるけれど、チューニング自体ブリッジの方で右手でやるのでコントロールノブに挟む方が視線の方向としても合理的かなと。
サウンドは、マルチスケールというかローB弦(5弦)が35インチのスーパーロングスケール(JazzBassがロングスケールで34インチ)となっているからなのか、B弦がしっかりと鳴ることにまずビックリした。自分はここまで2本の5弦ベースを使ってきたけれどB弦で弾くのはD音までだなという意識があったのが、このベースは解放のB音まで十分にいけるなと。
スケールの長さは、JazzBassと並べてみると5弦も4弦も長くなっているのが見てわかる。
というかB弦だけではなくて全体がやたらと良く鳴っていて、ボディーサイズのわりに生音でもけっこう音が大きい。ボディーがチェンバー加工(空洞がある)となっている効果なのかもしれませんが。
で、アンプにつないだサウンドは、アクティブピックアップのハイファイだったりギラついた感じは当然無くて扱いやすいタイプ。強いて言えば、同じく2つのパッシブピックアップのJazzBass系のサウンドかなという印象。
マルチスケール/ファンフレットなのでフレットは斜めになっているのだけど、これは意外にすぐ慣れた。フレットの素材はステンレスだそうで、ずっとくすみが出ずにキラキラしているのがなんだか不思議。
ヘッドが無いので、座って弾いてもストラップを付けて立って弾いてもヘッド側が下がってくることは当然なくてバランスが非常に良いのだけど、自分はストラップを付けて立って弾いた方が弾きやすい印象で、これは今まで自分が弾いてきたベースには無かった感覚。
ということで自分が所有しているエレクトリックベースギターはこの3本。5弦・オールドの4弦・フレットレスの4弦とまあこれで十分だろうなと。
ギターの方はこの4本。一昨年買ったヘッドレスのIbanez Q54にアームが付いていたらFender Stratocasterは手放しても良かったので、同じヘッドレスなら.strandbergのアーム付きのモデルにするべきだったのかなとは今さらながら思う。まあ.strandbergは値段がはるかに高いですが。
弦楽器は他にあと1本、エレクトリックアップライトベースのNS Design NXT4があるけれど、これは売却してしまうかも。バラしてもサイズが大きいので、どう送るかというので悩んでいるのですが。
この1年ちょいで楽器3本を手放して1本を買うという入れ替えとなったけど、もうここから弦楽器は増やさないつもり。置き場所も無いしまた弾かない楽器が出てきてしまうので。アコースティックギターだけは代わりが無いので、もし壊れたりしたら買い換えるかもしれませんが。
ということで、今回のIbanez EHB1505MSが自分が人生で最後に買った楽器となる可能性がある。それなりに覚悟はしているつもりだけどまだすぐに死ぬ気でも無いので、これが最後の楽器というのもちょっと妙な感じはしているけれど、とはいえ平均寿命の半分はとうに過ぎているので当然か。
最初に買った楽器が赤いベースギターのIbanez SR600(後でフレットレスに改造した)で、そこからちょうど30年。
最近は家での録音がメインで、その内容もメロディーとコードの実験というようなもので他人に聴かせるようなものでは無い自分のためにやっている音楽というものになってしまっているのだけど、他人に聴かせられるような音楽も改めて作っていこうかと。
このEHB1505MSも含めて、楽器たちが新しい発想のきっかけになればいいなとも思っているのですが。