2023年01月12日

Jeff Beck死去

今朝入ってきた、Jeff Beckが亡くなったというニュース。




特に闘病中という話も聞いていなかったし本当に突然のニュース。細菌性髄膜炎に感染してから短期間で悪化して亡くなったとのことらしく。


ニュースを見てから半日経ってまだ頭も気持ちも整理出来ていないところがあるけれど、自分の中では史上最高のエレクトリックギタリスト。最高の中の1人とかではなく、ナンバーワン。
左手でのビブラートに右手の指でのピッキングのニュアンス、アームでの音程変化にボリュームを操作しての音量変化とエレクトリックギターという楽器で音楽を表現するということで世界最高峰に登りつめた人だと思っている。
そして奏法は変化と進化を続けて、結局彼には歳をとって枯れたとか円熟したなどということはまったくなく、ギタリストとしての晩年というものは無かった。


Twitterなどで目にした一般人の追悼コメントでは『Blow By Blow(1975年)』『Wired(1976年)』に言及している人が多くてその2枚が名盤と評価されていることを考えればそりゃそうなのだけれど、もうロックを聴いているのは老人しかいないのかとは思ってしまった。
自分としては、『Who Else!(1999年)』『You Had It Coming(2000年)』『Jeff(2003年)』のデジタル3部作と評されたアルバムも忘れてはならないと考えているのですが。この辺りのアルバムでは70年代の奏法とまったく変わっていて、エレクトリックギターでの表現がさらに高みに達した時期。
『You Had It Coming』に収録の「Nadia」が、エレクトリックギターという楽器での史上最高のプレイの1つだと思う。



あとはソロ名義のスタジオアルバム(去年Johnny Deppと連名のアルバムはリリースしている)としては現状遺作となった『Loud Hailer(2016年)』では、若い女性ミュージシャンたちを起用して現代の歌モノロックをやったもののたいして売れなかったというのもものすごくJeff Beckらしい気がする(笑)。昔から聴き続けている老人たちが求めているものはインストのソロギタープレイだったという。
ただアルバム最終曲の「Shrine」は、ソロ名義の最後の曲としてはふさわしいのかもと。



Jeff Beck GroupにBeck, Bogert & Appiceにソロ名義とスタジオアルバムは多く残されたし、映像作品もある。それらをこれからも聴き続けていこうと。

ありがとうございました。さようなら。  

Posted by toshihiko_watanabe at 21:28Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加

2017年07月23日

Jeff Beck / Loud Hailer

Jeff Beck(ジェフ・ベック)の昨年発売のスタジオアルバム、『Loud Hailer(2016年)』。

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スタジオアルバムは『Emotion & Commotion(2010年)』以来。
ソロ名義になってからの『Blow By Blow(1975年)』以降、スタジオアルバムはほぼインスト曲が占めていたのですが、前作では半分がボーカル曲で、今作ではインスト曲は2曲のみのボーカルアルバム。

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今作のボーカルを務めたのがRosie Bones、ギタリストのCarmen Vandenberg。
ちなみに当時久しぶりのスタジオアルバムだった『Who Else!(1999年)』以降、ギタリストのJennifer Batten、2007年からツアーに参加して『Emotion & Commotion』でも数曲プレイしたベーシストのTal Wilkenfeldと、近年のJeff Beckのバンドには女性メンバーの参加がよく見られる。
バンドを華やかにしたいのか、たまたま求めていたサウンドを出してくれるのが彼女たちだったのかはわかりませんが(笑)。

↓ブックレットに見開きで載っていた写真。

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アルバムは、ボーカルメインだとどうしてもかつてのJeff Beck Groupと比べたがる人もいるのでしょうが、ラウド系の女性ボーカルに加えて演奏もかなり現代的なものなので、まったく違う。
というか、Jeff Beckのスタジオアルバムは『Flash(1985年)』以降は作品ごとにサウンドは違っていて(『Flash』が名盤かは別として(汗))、今年73歳の彼がまた新しい音楽にチャレンジしているというのは本当にスゴいことだと思う。

Jeff Beckはスタジオアルバムは寡作な方で、『Blow By Blow』以降の40年ちょっとで、カヴァーアルバムの『Crazy Legs(1993年)』を入れても『Loud Hailer』で11作目のはず。
しかしまだまだプレイに衰えも見られないし、次のアルバムをどんなものにしてくるのかまた期待して待ちたいと思います。  
Posted by toshihiko_watanabe at 21:41Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加