そういえば、なにもなければ9月21日はこのことを書こうと思っていたんだった。
今年の9月21日は、Jaco Pastorius(ジャコ・パストリアス)の25回目の命日。
上のファーストアルバム『Jaco Pastorius(1976年)』を聴いたのがたぶん高校2年生の時。
世の中の大半のベーシストと同じように、1曲目の「Donna Lee」でまずブッ飛ばされる。
独特の温かいベースサウンドに、なにより弾くフレーズのタイム感が今聴いてもやっぱりスゴい。
アルバム全体として、ベースが引っ張っているサウンドづくりには当時はとても驚いたものの、今ではこういったタイプのベーシストのリーダーアルバムはたくさんある。
しかしこのアルバムが名盤でありつづけるのは、やはりジャコの作曲とアレンジのセンスがずば抜けているからなんじゃないかと。
で、自分がファーストアルバムと同じくらい聴いたのが、『The Birthday Concert(1995年)』。
これはリアルタイムで買ったCDアルバム。当時まだジャコが亡くなって8年しか経っていなかったということには驚くな(汗)。
1981年12月1日、ジャコの30歳の誕生日に行われたギグが収録されたライヴアルバム。
このあとの1982年9月の来日公演を収録したライヴアルバム『Invitation(1983年)』(のちに完全版2枚組CDとして『Twins I & II(1999年)』)の方が発売は早く、先に聴いていたのですが、ホールでの収録のせいか広がりのあるサウンドだった『Invitation』と比べると、この『The Birthday Concert』の方が密集感のあるサウンドで良い。
密集感のわりに楽器の音の分離もかなり良いし、なによりジャコのベースサウンドがクリア。
メンバーも、『Invitation』とは違い『The Birthday Concert』ではランディ・ブレッカー(Trumpet)の代わりにマイケル・ブレッカー(Tenor Sax)が参加と、個人的にベスト(笑)。
正直、ランディ・ブレッカーとマイケル・ブレッカーでは音楽家としての格が違うとも思うので。ランディ・ブレッカーファンにはすいませんが。
そしてジャコとマイケル・ブレッカーはもちろん、バンドの主要メンバー、ピーター・アースキン(Drums)、ボブ・ミンツァー(Tenor & Soprano Sax)を含めた全員がキレッキレという奇跡のライヴ。
グルーヴ感はものすごいし、ジャコがこの20数人という大勢のメンバーをコントロール出来ているのが伝わってきて、何度聴いても鳥肌が立つ。
ジャコのハーモニー感覚が溢れる美しい曲『Three Views of A Secret』はこのテイクが決定版でいいんじゃないかと思うし、『Domingo』はひと言、"クソカッコいい"。
特にこの2枚は一生聴いていくんじゃないかと思います。
で、ジャコに大きく影響された自分は、高校卒業の時に一生もののベースギターをということで、ジャコと同じFender JazzBass(1973年製)を購入。
しかし今考えると、ジャコのサンバーストボディーにローズウッド指板とはまったく違う、メイプル指板(爆)。
まあ予算的にジャコが使っていたような60年代製はさすがに買えなかったので(今はさらに値上がりしてもっと買えない(汗))。
高校1年の時に初めて買ったIbanez(アイバニーズ)のベースは、JazzBassを買ったあとに改造してフレットレスに。
ショップから戻ってきてまず弾いてみたら、うぉぉジャコのサウンドだと嬉しかった憶えが(恥)。
まあベーシストとして彼のような高みへはどうやら到達出来ないことはもはやわかっていますが(汗)、彼のハーモニー感が多少は理解して聴こえているような音楽家では居続けていたいと思っています。