2015年06月13日

Yes / Relayer (Blu-ray)

そういえば買ったのはちょっと前ながらここには書いていなかった、Yesの『Relayer (Blu-ray)(2014年)』。
Close To The Edge』に続いて、Porcupine TreeのSteve Wilsonが旧作をリマスター&サラウンド化を担当した、Yesの1974年のアルバム。

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中に入っているブックレットは、今まで見たことのなかったデザインのもの。

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CD盤の方は、Steve Wilsonによる2chステレオリミックスを収録。

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Blu-ray盤の方は『Close To The Edge』と同じく、5.1chサラウンド・2chステレオリミックス・オリジナルミックス・シングルバージョン・UKビニール版等々大量の音源を収録。

もちろん、今回もメインで聴くのは5.1chサラウンドミックス。

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当然ながら、曲自体は今までに数え切れないくらい聴いてきたものとまったく同じ曲なのですが、『Close To The Edge』をサラウンドで聴いた時と同じく、Steve Wilsonの『Relayer』の解釈というものが直接的に伝わってくる印象。
1曲目の22分近くに及ぶ大作「The Gates of Delirium」に顕著ですが、このアルバム全体のテーマは"戦争と平和"。
サラウンドにより、"戦争"部分の非常に密度の濃いサウンドは、周囲に分散されつつそれでも隙間なく聴き手を囲み、"平和"部分の緩やかなサウンドとリズムは、アンビエント感で聴き手を包むという。
この動と静の対比は、2曲目の「Sound Chaser」3曲目の「To Be Over」とでは曲単位で体現されるものですが。

ちなみに『Close To The Edge』で強く感じた、Steve Wilsonの"Yesというバンド"への解釈は今回も同じで、コーラスへの意識の比重はかなり高い印象。
歌声に包まれる「To Be Over」は、本当に美しい空間。


今までのステレオミックスを聴く印象とはかなり違うものにもなりますが、『Close To The Edge』のサラウンド盤と同じように、買って後悔なし。
非常に興味深い、今後も聴いていきたい盤となりました。


ちなみに、2002年にサラウンド盤がリリースされた『Fragile(1971年)』のサラウンドミックスを手がけたのはTim Weidnerというエンジニアで、Steve Wilsonのミックスとはだいぶ傾向が違うもの。
こちらも聞き返していこうと思います。  

Posted by toshihiko_watanabe at 00:01Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加

2014年02月25日

Yes / Close To The Edge (Blu-ray)

King CrimsonやEL&Pの旧音源のリマスター&サラウンド化を担当しているPorcupine TreeのSteve Wilsonが、Yesでもサラウンド化を担当した、Yesの1972年のアルバム『Close To The Edge (Blu-ray)(2013年)』。

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去年、SACDハイブリッド盤を購入した際は、マルチトラックのテープは紛失されてもう無いという情報を目にしたのですが、どうやら存在していたよう……。
まあ今回のBlu-ray盤は、Steve Wilsonの解釈がかなり反映されているミックスであった印象だったので、SACDハイブリッド盤の方も無駄にはならないかとは考えていますが。

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盤は、5.1chサラウンドが収録されたBlu-ray盤と、CD盤の2枚。

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CD盤の方は、Steve Wilsonによる2chステレオリミックスを収録。

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そしてBlu-ray盤の方は、さすがに容量に余裕があるとはいえ、5.1chサラウンド・2chステレオリミックス・オリジナルミックス・シングルバージョン・UKビニール版等々かなりの音源を収録。

もちろん個人的に興味があるのは、5.1chサラウンドミックスなわけですが。

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Blu-rayですが動画の収録はなく、モニターに映されるのはこういった静止画。


聴いてみると、先に書いた通りSteve Wilsonの『Close To The Edge』というアルバムへの解釈。
大きく言えば、Yesというバンドはどういうバンドなのかということを彼がどう解釈しているのかが伝わってくるサラウンドミックス。
とにかくコーラスへの比重が大きい。
おそらくSteve Wilsonは、Yesを"コーラスバンド"として捉えている部分が大きいのではないかと想像されるミックスでした。


没テイクからも追加しているのではないかと思われるくらい、コーラスパートは増やされていた印象。
タイトル曲「Close To The Edge」のクライマックスではほぼ周囲が歌声に埋め尽くされて、和音はギターとメロトロンとピアノが歌声の隙間から聴こえてくるというカオス状態。
とはいえ、それが周囲に振り分けられてなんとか各パートを聴き分けられる状態にされているというのは、サラウンドゆえのミックスだったはずですが。

もう一点印象的だったのは、「And You And I」中盤のインストセクションに入ったあたりでのアンビエント感。
今までに聴いたミックスよりも深めのリバーブがかかり、Yesの曲の宇宙的な感触だったりをリミックスで拡大解釈したのかもと。
ギタリストのSteve Howeは、「天を駆けるペガサスのようなYesのサウンド」と発言していたのを目にしたことがありますが(爆)、それを体現したリミックスかもと。



聴く方の心構えによっては、ほぼ違う曲に聴こえてしまうのではというくらいの大胆なサラウンドミックスだったのではと思いますが、個人的には非常に面白いミックスだったと思っています。
まだまだ繰り返し聴いていこうと。
去年購入したSACDハイブリッド盤は、こちらは今までのオリジナルステレオミックスをハイレゾへブラッシュアップした盤ということが確定して、今回のBlu-ray盤の方にもオリジナルミックスは収録されているものの、SACDハイブリッド盤の方もたまに聴き返してみないといけない存在ということになったのかも。  
Posted by toshihiko_watanabe at 23:54Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加