2012年07月16日

電大 / Δ結線

ユニコーンのメンバー、川西幸一(Drums)EBI(Bass)・手島いさむ(Guitar)の3人が結成した"電大"の1stミニアルバム『Δ(デルタ)結線(2012年)』。

Dendai

ユニコーンからの派生バンドということでそのうち買おうとは思っていましたが、この間Amazonで他のものと一緒にやっと注文。ミニアルバムということで2000円というのはまあ買いやすい値段かと。


とりあえず再生してみて、バンドのサウンドは70年代の王道ロック風も、なぜ3人がユニゾンで歌っているのだ???とキョトンとさせられる(笑)。ハモっているところも多いんですが、ジャニーズばりの全員ユニゾンが目立つ。
まあ最初に聴いた感じとしては、骨太なロックサウンドもメロディと歌声が異質で妙な感じだな、というあまりたいした印象ではなかったんですが、何回か聴いているうちに何曲かが妙にハマリだす。

まず引っかかってきたのが4曲目の「By The Way」。
歌詞が広島弁で、正直なにを言っているのかわからない(笑)。

一部抜粋。


はぁもう なんも出来んのじゃブチたいぎんじゃ
ほんま こんなんじゃ わやじゃ
どしたんかいの いなげなわしの BODY
めげかけとるんじゃが

ほんじゃけぇ  わしゃあカバチか ふうがええのぉ
たいがいにせんにゃあ いけんのぉ By The Way



世の中では、歌詞が沖縄弁だったり吉田拓郎あたりが広島弁の歌詞だったりというものを過去にやられてきてはいますが、ここまでディープな広島弁というのはこれはけっこう新しいかも。
ちなみに曲のネタ自体は、おそらく"Adam and the Ants"(笑)。


あとはアルバム最後の7曲目の「ビッグアーチ」。
ビッグアーチはJリーグサンフレッチェ広島のホームスタジアムの広島ビッグアーチのことで、歌詞の中にも「三本の矢の如く」などサンフレッチェ広島のことが歌われている曲。
メロディ的にもサッカーの応援歌として成り立つ印象なので、サンフレッチェサポーターはスタジアムでこの曲を歌ってもいいんじゃないかと(笑)。

ちなみにサンフレッチェ広島の公式アンセムをつくったのは、手島いさむさんだったりしますが。



で、アルバムとしては最近なかなかの愛聴盤。
26分のミニアルバムってのはタイム的に聴きやすいってのもありますが。時間が短いアルバムが聴きやすいっていうのは、年齢もあるのか(爆)?


アルバムのサウンドは、最初の印象の通りに70年代洋楽ロックサウンドだったり、EBIさんも在籍したARBっぽいものだったりというものが基本ですが、こういうバンドサウンドってのは(CDでだったりライヴハウスとかで若いバンドを観る限り)10代20代には出来ないですし、実はこの年代のオッサンにしか出来ないサウンドなのかも。
当時20代だったはずの元の70年代に演っていた方は、今現在はもっと枯れてしまっていますしね。
そういう部分でも、実は他ではなかなか聴けないバンドサウンドのアルバムなんじゃないかと思います。
ミックスも、人数編成が少ないということはあるにしてもユニコーンとは全然違ってベースとドラムのリズム隊が前面に聴こえるミックスにされていますし。


ロックの新しい可能性を探っているとまでは言いませんが(笑)、自分などには聴きなれているクラシックロックサウンドに大きく変化球(暴投?)を交えてつくられている"電大"のバンドサウンド。
ユニコーンが活動していないときに活動するという方針らしいですが、まず今年は精力的なライヴ活動をしていくようですし、次のレコーディング作品にも期待したいと思います。
とりあえず今作の『Δ結線』 は、個人的には意外なスルメアルバムだったかと。

  

Posted by toshihiko_watanabe at 23:57Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加