Pat Methenyの新しいカルテットによるアルバム『Unity Band(2012年)』。
「Pat Metheny Unity Band」というグループ名の同名アルバムなんだろうとは思うけれど。
2008年にトリオで『Day Trip』というアルバムを出したあとは、『Orchestrion(2010年)』『What's It All About(2011年)』とソロのアルバムが続いていたので、バンドとしての活動というと『Day Trip』の頃のPat Metheny Trioの発展系を連想してしまいますが、Saxの加わる編成というのはあのMichael BreckerとDewey Redmanを迎えた『80/81(1979年)』以来なんだとか。
もう2人とも亡くなってしまったな(涙)。
メンバーは、DrumsにいつものAntonio Sanchezに、Acoustic BassはBen Williams。Tenor & Soprano SaxはChris Potter。
まずサウンドの印象として、ギターの音が良い。これは録音状況が良かったのかなと。
そして、相変わらずカナモノ系のサウンドがすばらしいAntonio Sanchezのドラミング。
全体的なサウンドの感触はかなり良いんですが。
しかし、全曲Pat Methenyのライティングになる曲がそんなに良くない印象。
過去のPat Methenyのつくる曲は、知性的なコード進行とポップなメロディが印象的ですが、コード進行はともかくメロディがあまり印象に残らない。
コードとしても、こちらをギョッとさせるような印象的な響きがあまりないというのも。
まあPat Methenyも今年で58歳だそうなんで()、なかなか革新的なことを期待するのも酷なのかもしれませんが(汗)。
しかしもう停滞して数十年は経つジャズ界はもとより、同じくらい停滞している音楽理論的な面でも、革新的なサウンドをつくりだせる耳を持っているミュージシャンは彼が最右翼だと思っているので。
とりあえず音質の悪くないCDだとは思ったので、もうちょっとスピーカーからの大きい音量で聴き込みたいと思います。
バンドとしては、ライヴを経たりスタンダード曲を交えることで今後の印象が変わってくる可能性も高いと思うので、次作にも期待したいかと。