2011年04月04日

我孫子武丸 / 殺戮にいたる病

我孫子武丸氏の『殺戮にいたる病(1992年)』。

Satsuriku

久しぶりに"思いっきり騙された"作品(笑)。


背表紙にあるあらすじでは、

「永遠の愛をつかみたいと男は願ったーー
東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。犯人の名前は蒲生稔!
くり返される陵辱の果ての惨殺。冒頭から身も凍るラストシーンまで恐るべき殺人者の行動と魂の軌跡をたどり、とらえようのない時代の悪夢と闇を鮮烈無比に抉る衝撃のホラー。」



犯人の名前がしっかり書いてあって、"
ホラー"と定義してある。
で、2ページのエピローグから始まる本編は、犯人逮捕のシーンから。

実際にかなりグロテスクな描写もありますし、読み進めていくうちの印象もホラー。
犯人が逮捕されるのもわかっているので、興味としては探偵サイドがどうやって犯人に辿り着くのかといったところか。

と、読んでいって最後の最後でひっくり返されるという(驚)。
ホラーだと思って読んでいたのがまさかミステリだとは。

珍しく、読み終わってすぐにまた最初から読み返してしまいました。


トリックが1点突破ということもあってか、全体を通してのパワーがものスゴい。
グロテスクな描写は読む人を選ぶとは思いますが、傑作といっていい作品だと思います。
  

Posted by toshihiko_watanabe at 23:47Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加