今年は例年通りに4月に開催された2021年のマスターズトーナメント。
自分は土日は早朝から仕事に行っているので毎年ちゃんと見られるのは最終日だけなのだけど、今回は松山英樹選手が首位で最終組ということで、日本時間3時40分のスタートに合わせて22時に寝て午前3時に起きた。
4打差からのスタートが一時5打差に広がるものの、バックナインはオーバーパーで見ているこちらもハラハラしかしない。
しかし4打の貯金はあとを追う選手たちにプレッシャーにもなったようで、最終的には1打差で逃げ切り松山英樹選手が日本人初の男子メジャー大会勝利、日本人アジア人初のマスターズ勝利。
実況のTBS小笠原アナウンサーと解説の中嶋常幸プロと宮里優作プロの3人がウイニングパットのあとに泣いていたのが話題になっているけれど、自分も同じかやや早いタイミングで泣いてしまった。
正直自分でも意外だったのだけど、思った以上に感極まってしまって。
歴代のマスターズ優勝者。
自分がテレビ中継を見だしたのがたぶんホセ・マリア・オラサバルが勝った1999年から。
タイガー・ウッズの2連覇や、マイク・ウィアーとフィル・ミケルソンのレフティー2連勝(2003〜2004年)はハッキリ覚えている。
2005年はタイガー・ウッズが16番H(Par3)で伝説のチップインを見せた年だけど、実はその後スコアを落としてプレーオフで勝っての大会4勝目。競り負けたクリス・ディマルコは飛距離はタイガーに負けるものの、圧倒的な小技の巧さと当時はまだ珍しかったパターのクロウグリップが印象的だった選手。
そういう記憶からも男子ゴルフの4大メジャー大会というのは、タイガーすごいミケルソンすごいアーニー・エルスすごいビジェイ・シンすごいアダム・スコットすごいバッバ・ワトソンすごいジョーダン・スピースすごいブライソン・デシャンボーすごいとなっても、主役はあくまでバケモノ揃いの外国人選手たち。
正直自分が見てきた20数年の間で日本人選手で惜しかったということもほとんど無かったし、テレビ中継画面の左上のテロップで「◯◯◯◯初の日本人メジャー制覇へ!」と出ていても、煽りすぎで逆に虚しいだろうというのも。
史上初めての、4ラウンドを終えて日本人が一番上にいるリーダーズボード。
そんな今までの経緯があっての日本人初のマスターズ制覇。
プロゴルフの試合というのはワールドカップ以外はほぼ個人競技で、この勝利は松山英樹選手個人(と周囲のスタッフ)の栄誉なのだけど、個人的にナショナリズムにつながるような日本人としての嬉しさがあったというのは思ってもみなかった感情だったなと。
「日本人にはメジャーは勝てない」という歴史と事実は払拭されたし、松山選手の優勝後のインタビューでも言っていたけど今の現役の日本人選手はもとよりこれに影響された若い選手が5年後10年後にメジャー大会で活躍してくることも期待出来るんじゃないかと。
2017年9月に桐生祥秀選手が日本人で初めて100m10秒の壁を破って9秒98を出したあと、サニブラウン・アブデル・ハキーム選手が2019年6月に9秒97、小池祐貴選手が2019年7月に9秒98を出していったように。
なにはともあれ松山英樹選手の栄誉を讃えたいと。
今年のメジャー大会はあと3試合あるし、彼はまだ29歳なので男子プロゴルファーの選手寿命の長さを考えればまだまだ新しい栄誉が待っていると思うので。