
全7話だけれど話は連続しているという1冊。
主人公の湾田乱人がミステリアス学園ミステリ研究会に入部して、一緒に入部した女の子や先輩たちからミステリ講義を受けていくものの、同時に部員がどんどん死んでいく。
この作品の主眼としてはこのミステリ講義が非常に良く出来ていて、主人公とともに読者もミステリの歴史とジャンルの分類を学んだり再確認が出来てしまうという。
作中でも言及されているのだけど、本編終了後に表で表されている"本格ミステリ度MAP"のミステリ度の縦軸と論理度の横軸の一番右上に名前が挙げられているミステリ作家は、やっぱりそうですよねで爆笑できる(爆)。
作中では密室・倒叙・メタ・小説ならでは(映像が無い) というようなミステリのトリックがたくさん。
終盤までかなり面白いので、終わらせ方は他になかったのかと思わないでもないのですが、まあこの終わらせ方でこそのこの作品なのか。
ストーリーはともかく、本格ミステリの勉強になる作品。
直接的な続編ではないものの、『パラドックス学園(2006年)』(主人公はワンダー・ランド)という作品もあるようなので、機会があればこちらの作品も読んでみたいかと。