2020年04月09日

鯨統一郎 / ミステリアス学園

かなり久しぶりに読んだ鯨統一郎作品の、『ミステリアス学園(2003年)』。

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全7話だけれど話は連続しているという1冊。
主人公の湾田乱人がミステリアス学園ミステリ研究会に入部して、一緒に入部した女の子や先輩たちからミステリ講義を受けていくものの、同時に部員がどんどん死んでいく。
この作品の主眼としてはこのミステリ講義が非常に良く出来ていて、主人公とともに読者もミステリの歴史とジャンルの分類を学んだり再確認が出来てしまうという。
作中でも言及されているのだけど、本編終了後に表で表されている"本格ミステリ度MAP"のミステリ度の縦軸と論理度の横軸の一番右上に名前が挙げられているミステリ作家は、やっぱりそうですよねで爆笑できる(爆)。

作中では密室・倒叙・メタ・小説ならでは(映像が無い) というようなミステリのトリックがたくさん。
終盤までかなり面白いので、終わらせ方は他になかったのかと思わないでもないのですが、まあこの終わらせ方でこそのこの作品なのか。
ストーリーはともかく、本格ミステリの勉強になる作品。
直接的な続編ではないものの、『パラドックス学園(2006年)』(主人公はワンダー・ランド)という作品もあるようなので、機会があればこちらの作品も読んでみたいかと。  

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2020年03月05日

歌野晶午 / ガラス張りの誘拐

この間からずっと積んだままだった紙の本を読破していっていますが、今回読んだのは歌野晶午氏の『ガラス張りの誘拐(1990年)』。
歌野晶午氏の作品を読んだのは、どうやら4年ぶりらしい(汗)。

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作品は三部作。しかもタイトルが「第二の事件」「第三の事件」「第一の事件」という順番。
「第二の事件」は連続婦女誘拐殺人事件。犯人が新聞社に犯行声明文を送りつけて捜査は混乱しつつ最終的に犯人の自殺によって事件は解決するも、犯人の遺書によれば犯行声明文を書いたのは自分ではないという謎。
「第三の事件」は「第二の事件」でも捜査に当たっていた刑事の娘が誘拐され、犯人からの要求は身代金1億円。しかしまず警察には連絡しろ身代金の受け渡しに向かうときは警察もマスコミも呼べという、誘拐犯としては謎すぎる命令。
そして「第一の事件」は当然順序としても数年前に戻ってのストーリー。
最後に「エピローグ」でいくつかの残されたままだった謎がすべて明かされるのですが、広げた風呂敷はここで急速にキレイに畳まれたという印象。

プロットとテンポ感が非常によく出来た作品という感想でした。自分は中断するタイミングが見つけられず、一気に読み終えてしまった(笑)。
30年も前の作品で、作中でもポケベルが一瞬出てくる程度で連絡手段は固定電話と公衆電話という時代なのだけれど、そんなに違和感はなく読める。
ドラマ向きなんじゃないかなという印象も受けたのですが、読み終えてから調べてみたら2002年に奥田瑛二氏主演でドラマ化されていたそう(北の捜査線・小樽港署)。見てみたいなとも思いますが。


このブログで歌野晶午作品で読んだものを確認してみると、「葉桜の季節に君を想うということ(2003年)」は覚えているのだけど、「家シリーズ」などはまったく覚えていない(汗)。
今やっている積ん読の始末が終わったら、そのあたりは読み返したいなぁとは今回思ったのですが。  
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2016年05月06日

鯨統一郎 / 邪馬台国はどこですか?

わりと有名な作品だと思うのだけれど今さら読んだ、鯨統一郎氏の『邪馬台国はどこですか?(1998年)』。

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6編が収められた短編集で、「(仏陀が)悟りを開いたのはいつですか?」「邪馬台国はどこですか?」「聖徳太子はだれですか?」等々のタイトル通りのテーマを題材に、徹底的に論理的(ロジック)な解決をしていくというちょっと変わった作品。


シャーロック・ホームズの、
「不可能を消去して、最後に残ったものが如何に奇妙なことであっても、それが真実となる」(ブルースパティントン設計図)
を地でいく解決法で歴史の謎を解き明かしていくのは、かなり面白い。

例えば表題作の「邪馬台国はどこですか?」では、江戸時代に新井白石と本居宣長が大和と九州というそれぞれの説を述べて以来300年間、2つの場所という限られた地域でさえいまだに卑弥呼の墓が発見されないのはなぜなのか?という事実からは、この作品で提示された結論にも整合性はありそうな(笑)???


歴史にかすかながら知識と興味のある自分には、全般なかなか面白い作品でした。
鯨統一郎作品を読んだのも初めてだったのですが、シリーズ次作の『新・世界の七不思議(2005年)』も買って積んであるので、いずれ読んでいこうと思います。  
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2016年02月26日

岡嶋二人 / そして扉が閉ざされた

岡嶋二人氏の『そして扉が閉ざされた(1987年)』。

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不審な死を遂げた女性の、遊び仲間だった4人が3ヶ月後に遺族の母親に地下シェルターに閉じ込められ、最初は脱出を試みるもその困難な作業と並行して、事件時の行動をそれぞれの視点から回想し、真相にたどり着いていくというストーリー。
それぞれの証言を組み合わせていく様はまさにパズルだし、それを行う場所が密室であることから、回想・組み立て・検証という進行がじっくり進んでいくという、非常に稀なしかしよく出来た舞台設定だなと。

約30年前の”昭和”に書かれた作品だけれど、古いと感じる部分はあまりなし。
非常に純粋なパズル的ミステリの傑作だと思います。  
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2016年02月21日

北森鴻・浅野里沙子 / 邪馬台 蓮丈那智フィールドファイルIV

ようやく読み終えた、北森鴻・浅野里沙子共著の『邪馬台 蓮丈那智フィールドファイルIV(2011年)』。

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作品は、『孔雀狂想曲』の越名集治「旗師・冬狐堂シリーズ」の宇佐見陶子に「香菜里屋シリーズ」の"バー香月"等々の、北森作品のキャラクターや場所が登場し、しかも彼らの視点からストーリーが進むことも多いという、北森鴻作品を多く読んでいるものにはより面白みが深まるという組み立て。
「蓮丈那智フィールドファイルシリーズ」と「旗師・冬狐堂シリーズ」は、お互いのキャラクターが行き来する作品も多かったので、北森鴻氏がさらに多くの作品を作っていけば、手塚治虫作品や赤塚不二夫作品のようなキャラクター展開になったかもしれないということは、非常に惜しいことに思ったり。


"誰がどのように殺されたか"というような一般的なミステリとは違いこの作品の主題は、奇妙な文書「阿久仁村遺聞」の解明と、そこからつながる非常に大きなテーマ"邪馬台国"についての考察。
結末に納得出来る部分はありながらも、現実に結論の出ている事柄ではないので、もちろんこれは北森鴻氏の史観ということですが。


文庫版で全650ページの作品のうち生前の北森鴻氏が書いたのは437ページまでで、残りの約1/3は浅野里沙子氏が引き継いで完成させたもの。
文体等に違和感はないものの、北森鴻氏の頭にあったのはまた別のクライマックスだったのかも???という想像もできるのですが、これは浅野里沙子氏への不満ではなくてこちらの想像力を刺激してくれたということでの興味。
未完で終わってしまったかもしれない、「蓮丈那智フィールドファイルシリーズ」の最初で最後の長編作品を完成させてくれたことには感謝しかできないのではないかと。


北森鴻氏の新作はもう出ませんが、今までの傑作を読み返すことは永遠と出来る。
まずは、この作品につながる「旗師・冬狐堂シリーズ」の『狐闇』を読み返してみようかと思っています。  
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2016年01月23日

邪馬台 蓮丈那智フィールドファイルIV、の前に

けっこう前から積んだままになってしまっていた、北森鴻・浅野里沙子共著の『邪馬台 蓮丈那智フィールドファイルIV(2011年)』。2010年に北森鴻氏が急逝したあとに浅野里沙子氏が引き継いで完成させた作品。
文庫本で約650ページという、シリーズ最初にして最後の長編作品なので、本の厚さにしても最終作ということにしても読み始めるのに思い切りがいる感じだったのですが、いい加減読み始めようかと。
明後日25日が、北森鴻氏の命日ということに気づいたということもあるのですが。

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しかしそれ以前のシリーズも、各本約300ページほどの短編集ということもあるし、読んでから『邪馬台』へいこうかということで、『凶笑面(2000年)』『触身仏(2002年)』『写楽・考(2005年)』の3冊を引っ張り出してきてしまった(爆)。

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以前読んで以来読み返していないので、まあいい機会かと。
しかし危ないのは、蓮丈那智も登場する「旗師・冬狐堂」シリーズまで読み返しに入ってしまうかもというのが(汗)。  
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2015年12月30日

歌野晶午 / さらわれたい女

文庫本で約300ページと短い作品だったこともあるけれど、一気に通して読んでしまった歌野晶午氏の『さらわれたい女(1992年)』。

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「私を誘拐してください」と頼んできた女性の依頼通りに"狂言誘拐"を仕組み成功させた便利屋が、彼女が身を隠していた部屋に行くと彼女は殺されているという、一応メインのストーリーは"誘拐もの"というミステリ。

なにを書いてもネタバレにつながりそうなのであまり書けませんが、執筆された当時の、まだ携帯電話はなくダイヤルQ2だったり車載電話だったりを駆使して警察に発信元がバレないようにするアイデアはかなり考えられたものだったはず。自分はまだわかりますが、理解できない人も多くなっている時代になってきているはずなので。
そして誘拐ものの最大の難点、身代金取り引きのための電話連絡での逆探知と、身代金受け渡しで人間同士の接触が起こってしまうという点で頭を悩ませるのは、誘拐犯人と作家(汗)であることは間違いないので。

最初からの不可解な点が作品を通してつきまとわってしまうところと、誘拐された女性の夫の弟が作品序盤でかなりキレる頭脳を見せていながら、後半では消えてしまうところはちょっと残念ですが(爆)、一気に読み進められたのは作品が面白いからかと。


法月綸太郎氏の解説も、ここ数年自分が読んでいる岡嶋二人氏と歌野晶午氏の相互の影響を記しているのもかなり興味深い。  
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2015年09月12日

法月綸太郎 / 誰彼(たそがれ)

何度か読み返しているのだけれど久しぶりにまた読み返した、法月綸太郎氏の『誰彼(たそがれ)(1989年)』。

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読み返した理由というのは、結局トリックやらの内容をしっかり把握出来ていなかったというのと、忘れてしまっている(爆)との両方ですが(汗)。


新興宗教の教祖が、他に誰も立ち入れない塔の天辺の密室から消えて、二重生活を送っていたマンションで首なし死体で発見されるというストーリー。
教祖は耳の障害を治した手術の痕があったということから、首なし死体になったということは本当にこの死体は教祖自身のものなのか?
そして教祖の双子の兄弟に兄との3人の似た"顔"があるというところから、自分はストーリーをきちんと把握出来ないという始末になってしまったとは思うのですが。

とはいえ、主人公の「"探偵"法月綸太郎」がいっこうに冴えない推理を展開し続けるということもこちらの捉え方の障害にもなったのかとは思ったり(笑)。
著者としては3作目の作品で、「"探偵"法月綸太郎」が初登場した2作目の『雪密室(1989年)』でも実質的な主人公は父親の「法月警視」なので、この初期の作品ではまだまだ「"探偵"法月綸太郎」の立ち位置は探り探りだったのかと。


しかし今回で一応内容はちゃんと咀嚼できたかと思いますし、この前後の初期の作品を読み返してみたいかとも思いました。
次作の「頼子のために(1990年)」と「一の悲劇(1991年)」は、ミステリ以前にストーリーが非常に重い内容なので、読み返すにも若干の勇気はいるのですが……。  
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2015年08月16日

岡嶋二人 / あした天気にしておくれ

岡嶋二人氏の『あした天気にしておくれ(1983年)』。
一気に読んでしまった。

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競走馬の狂言誘拐の犯人目線で綴られる倒叙モノかと思いきや、2億円の身代金を要求する脅迫状は自分で書いたものではないものが送られたところから、さらに奇妙な誘拐事件となっていくというストーリー。
身代金目的の誘拐の犯人側にとっての最大の危機は、当然身代金の受け渡しとなるのですが、今作で展開された2億円の受け渡し方法は驚くもの。
長編ながら殺人が起こらないミステリというのも、この作品を独特のものにしているのかも。

30年以上前のという古くささなどを感じない、非常に楽しめた作品でした。
また読み返すことがあると思います。  
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2014年05月22日

岡嶋二人 / コンピュータの熱い罠

岡嶋二人氏の『コンピュータの熱い罠(1986年)』。

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86年当時に、コンピュータに入力された個人情報をもとに男女を引き合わせる結婚相談所という設定はなかなか斬新だったと思うのだけれど、その個人情報というものが物語のひとつの鍵となる、複数の殺人事件。
さらにいえば、まだ「死亡フラグ」という単語はなかった時代だと思うのだけれど、それが顕著にみられる部分があるのは少しおかしく思えてしまう部分かも。


個人情報・コンピュータのプログラム・ハッキング等々、ネット社会となった現代の方がさらに現実的に感じられるパーツを用いて組み立てられた作品。
かなり終盤になってからクライマックスに向かっていく展開で、このわずかな残りページでどうなるのかというドキドキ感は紙の本ならではなのかも(笑)。
まあ電子書籍だったとしても数字で残り何ページとかは表示されるのですが、厚みという触感に連動するドキドキ感はまた別なので。


文庫で300ページちょいとあまり長くないこともあり、読み始めてから一気に最後まで読んでしまった作品。
面白かった。  
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2014年02月12日

岡嶋二人 / 99%の誘拐

岡嶋二人氏の『99%の誘拐(1988年)』。

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これ自体が短編としても成り立つ95ページに渡る第一章と、第一章で誘拐された子供が成長して主役となる第二章以降の2つの誘拐事件が展開される作品。

第一章の犯人も中盤で明かされてしまい、フーダニット(誰が)ではなくハウダニット(どのように)を中心にする組み立て。
第一章の犯人というのはもっと引っ張って最後に明かすということも出来たと思うのですが、それをしなかったのは比重をハウダニットへ完全に傾けたかったせいか。

第二章以降では、完全犯罪としての誘拐を目論むという珍しいテーマでの犯人の姿が描かれるのですが、ノートパソコンだったりの通信を前面に出したやり方は1988年に発表された作品としても非常に先進的だったかと。
当時は「こんなことはありえない」と捉えられてしまったかもしれませんが、今の時代に読んでみるとリアリティは増しているかも。


読み手が推理する場面はあまり無い作品ですが、なにしろテンポが良いし読んでいて非常に面白い作品でした。ほぼ一気に読み通してしまった。
ちょっと時間を置いてからまた読み返してみたいとさえ思っています。
傑作。  
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2014年01月18日

岡嶋二人 / どんなに上手に隠れても

岡嶋二人氏の「どんなに上手に隠れても(1984年)」。

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テレビ局からアイドル歌手が誰にも気づかれずにさらわれるという、けっこう派手な誘拐もの。
「誘拐」に定評のあった作家だけあって、さすがに全体の組み立てが上手いと思わされる。
あと、本作でストーリーの幹を固めているのは、各キャラクターの行動原理もそれに寄ったものになる、芸能界という世界の表裏の諸事情。
まあ終盤の謎が明かされる部分で小さく納得いかない部分、というかあまり興味の乗らない解決な部分もあるのですが、作品としてはテンポの良い、広げた風呂敷をちゃんと畳んでくれている作品ということになるのではないかと。


岡嶋二人氏の作品は、とりあえず誘拐ものを続けてみようということで、次は「99%の誘拐」を読む予定。  
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2013年12月26日

北森鴻 / 闇色のソプラノ

北森鴻氏の『闇色(あんしょく)のソプラノ(1998年)』。
一晩で読み終えてしまった。

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大本は山口県で始まった事件が、数十年経った東京の遠誉野市という架空の市で形を変えながら展開されていくというストーリー。
神がいない土地、とされた遠誉野市に引き寄せられた人物たちが絡み合って、起こっていく殺人事件。

土地というものに神秘性を持たせて、ストーリーの怪しい舞台とさせているのだけれど、文章全体の説明にあてる部分のバランスのせいか、あまり読み手には効果的でなかったかもと。
あと、ストーリーの全体が「偶然」というものに支配され過ぎているのは、フィクションとはいえ引っかかる部分?

とはいえその「偶然」を最大限に利用しつつ、組み立てはすばらしいのひと言。
裏表紙にも書かれている、キーとなる童謡詩人の書いた詩の中の「しゃぼろん、しゃぼろん」という擬音の正体がなんだったかということは、作品全体の通奏音。
広げた風呂敷は最後の1ページまで丁寧にたたまれるし、こちらが気づいていなかった細かい部分まで拾ってきて解決をつけるのはさすが。
すべての謎が終盤に向けてどんどん解決されていくのは、読んでいて気持ちの良いことは間違いないと思います。


傑作かどうかはわかりませんが、隙のない作品。
とても面白かったというのが、正しい自分としての評価。  
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2013年12月18日

岡嶋二人 / 七日間の身代金

岡嶋二人氏の「七日間の身代金(1986年)」。

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誘拐事件からつながる2つの密室事件とを1冊に詰め込んだミステリ。
序盤の身代金受け渡し(の人物を追いかける)のシーンはちょっとしたカーチェイスだし、それが終わって身代金受け渡し後の劇的な展開まで若干50ページほどと、かなりストーリーのテンポは良い。

犯人は選択肢が狭められているので想像がつくかもですが、その身代金受け渡しの小島でのトリックはなかなか面白いかも。

行方不明になりながら、生死はともかくとして発見されていく人々の役回りが変わり続けていくのが本作の興味深い点なのではないかと。
誘拐・密室・恋愛と本当に色々な材料を詰め込んだ、テンポの良い作品だったと思います。
読後感が良い。


岡嶋二人氏の作品は何冊かまとめて買ったのですが、「人さらいの岡嶋」と呼ばれていたそうで(笑)、誘拐ものにも注目しつつこれから読んでいきたいと思います。  
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2012年07月11日

北森鴻 / 狂乱廿四孝(きょうらんにじゅうしこう)

北森鴻氏のデビュー作『狂乱廿四孝(きょうらんにじゅうしこう)(1995年)』。鮎川哲也賞受賞作。

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明治初期というわりと珍しい時代を舞台に、時代の変わり目に直面しつつある江戸歌舞伎界で起こる連続殺人事件を解いていく作品。
表紙の幽霊画が、通奏音のように謎を投げかけ続けているというのはなかなか面白い。

探偵役にあたる戯作者見習いの"お峯"はフィクションのキャラクターですが、それ以外の登場人物はほぼ実在で、名女形"三代目澤村田之助"や"河原崎権之助九代目市川団十郎)"などを主要なキャラクターに据えて作品を組み立てているあたりは、デビュー作にしてすでに綿密な取材をしていたであろうことが伺えるのではないかと。

しかしまあさすがにデビュー作という感触はあって、ちょっと冗長に感じる部分はかなりあったり。
作者の近年の作品も数多く読んできたので、作家として成長したあとにデビュー作を読めばこういう印象にはなるかとも思いますが。


本作の原型となった短編『狂斎幽霊画考』がボーナストラック的に収録されていますが、これはさすがに完成度はまだまだだなぁと思うものの、比較として読むとなかなか面白い。


北森鴻氏の新作はもう出ませんが、まだ読んでいない作品があるので、徐々に読んでいきたいと思います。  
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2012年05月14日

歌野晶午 / 葉桜の季節に君を想うということ

歌野晶午の『葉桜の季節に君を想うということ(2003年)』。
超有名作ですが(汗)今さら読みました。

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 第57回日本推理作家協会賞受賞
 第4回本格ミステリ大賞受賞
 このミステリーがすごい! 2004年版第1位
 本格ミステリベスト10 2004年版第1位
 週刊文春 推理小説ベスト10 2003年度第2位


上記のように、ミステリの各賞を総なめといっていいくらいの評価を受けた作品。
読んでいても、文庫版で470ページの長さをほとんど感じないくらいに場面展開がスムーズで、各章の長さもまさに絶妙といった印象。

しかしミステリという部分をみると、"謎"とされるのはひき逃げで殺された資産家の老人が悪徳商法集団に保険金をかけられていた証拠探しという部分と、過去に主人公が関わった殺人事件についてというものがメイン。
保険金詐欺の方は、クライマックスでもその点では若干盛り上がりに欠けるし、過去の事件は"消えた証拠"を事件の中心寄りに持ってきて考えればそう複雑な事件ではないかと。

読者のミスリードを誘うテクニックのひとつに、細かいディテールを描かないということがあることを理解していれば、作品全体のトリックには気づきましたし、細部の謎にもそう驚きはなく。


ただこの作品の価値は、410ページをかけてキレイにどんでん返しまで持っていった組み立て方の部分よりも、タイトルの意味が強力にこちらへ訴えてきてまた
非常にポジティブなラスト数ページと、ミステリとは別もののエネルギッシュさを感じる読後感に尽きるんじゃないかと。
そういった意味で、ミステリという特定のジャンルではなく純粋に小説として評価した方が良い傑作なんじゃないかと思います。
  
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2011年12月19日

有栖川有栖 / 火村英生に捧げる犯罪

最近読書のペースがかなり落ちているんですが、かなり時間をかけつつもやっと読み終わった有栖川有栖氏の『火村英生に捧げる犯罪(2008年)』。文庫版は今年発売。

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自分は本は文庫版で買うようにしているので(もう置き場が無いので(汗))、文庫化されている「作家アリスシリーズ」では最も最近の作品で、また2007年の学校教育法の改正により「火村助教授」から「火村准教授」になってからは初めて読むことになった作品。
Wikipediaによれば、「助教授=准教授」ってわけでもないらしいんですが。

2004年から2008年に渡って各所で掲載された短編ミステリを集めた短編集で、10ページ程度のショートショートに相当するようなミステリもあり。

しかし各話のトリックは、けして小さなものではないものが多く、普通だったらこれを引き延ばして長編にするのではないかというようなものばかり。
最近の有栖川有栖氏の作品は薄っぺらい派手さはあまり無く、読んでいて安定感と安心感を感じるということが多いように思います。
物語が破綻しそうな雰囲気を漂わせる若手の作品というのももちろんスリリングさはあって良いのですが、こういう円熟味を感じさせる作品の方が完成度の高さを噛み締められて最近は良いかも。自分の年齢とも相まって(爆)。

この作品の前作『妃は船を沈める(2008年)』も去年文庫版が出ているので(ちょっとサイズが大きいけれど)、そろそろ見つけたら読んでみようと思います。  
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2011年08月26日

歌野晶午 / 動く家の殺人

歌野晶午氏の"家シリーズ"3作目、『動く家の殺人(1989年)』。

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久しぶりにとんでもないミステリに出会ったという衝撃。
はっきり言うと竜頭蛇尾という感想以外にないんですが(爆)。

作品終盤で容疑者を前に、タイトルの『動く家』に大きく関連したトリックが指摘されるものの、あまりに大掛かり過ぎて一瞬こちらを驚かせてくれたそのトリックが空振りで、実際の真相はあまりにあっけないという。

むしろ、主人公の探偵"信濃譲二"が殺害されることの真相の方が力が入ってしまっているというか。
伏線というか、これまでのシリーズと比べての違和感は最初からまき散らされているのもの、こちらの方が読んでいて驚きが大きかったので。

実は"家シリーズ" の前作、『白い家の殺人(1989年)』と、短編集の『放浪探偵と七つの殺人(1999年)』も読んでいたんですが、これらもちょっと期待はずれで(汗)。


歌野晶午氏といえば今やもうベストセラー作家なので、改めてこの"信濃譲二シリーズ"で新作を書いてもらえないかな、とも思うんですけど。  
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2011年07月18日

有栖川有栖 / 女王国の城

有栖川有栖氏の『女王国の城(2007年)』。
文庫版(2011年)では2冊、約850ページに及ぶ大作ですが、ほぼ一気に読んでしまいました。

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"学生アリス"シリーズとしては、『双頭の悪魔(1992年)』以来15年振りとなった今作。
クローズドサークルものをひとつのテーマとしているこのシリーズの今回の舞台は、宗教団体の信者がほとんどを占める町。そしてメインとなるのは、教祖と幹部が住む近未来的なデザインの、"城"と呼ばれることになる建築物。

ネタバレは極力避けたいので、内容をここに書くのは控えますが、展開としては筆者が文庫版あとがきで書いているように、上巻が"静の巻"下巻が"動の巻"というようなテンポ。

当の宗教団体にまつわるUFOや宇宙人との交信の話からカフカ、また不思議なマチに関する話題が延々続くこともあって、その状況でこの話を続ける余裕があるのか? と思うシーンもあったりはするのですが。
ただ、それらも実は大小の風呂敷であったりして、それを最終的にきっちり畳んでくれるのは読後の充実感につながるのかと。

やはりこの作家は、緻密で丁寧な組み立て方をするのだな、と実感。
なんだかんだでこの長さのストーリーを、潜入・軟禁・脱走と事件・捜査・解決を織り交ぜて飽きない展開に仕立てているのは、本当に組み立て方が上手いなぁと。


殺人事件の犯人が明かされても、まだまだ別の謎が残っているくらい数多く張り巡らされた伏線。
傑作だと思います。  
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2011年07月11日

北森鴻 / 香菜里屋を知っていますか

北森鴻氏の『香菜里屋を知っていますか(2007年)』。
先日出た文庫版で。

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桜の下にて花死なむ(1998年)』『桜宵(2003年)』『螢坂(2004年)』と続いてきた連作短編集の最終巻。
今作には5編の短編が収録されていますが、このシリーズの登場人物にそれぞれ決着をつけていくのがメイン。
前作までとはちょっと雰囲気も違って、全体的に物哀しいというか。
もちろん去年作者が亡くなっているということで、本当に続編が出ない完結作となっていることもありますが。


今回の大きな主題は、シリーズの主人公でビアバー"香菜里屋"のマスター、工藤哲也の過去。
すべてが語られる最終話で、作者の他のシリーズの人物が出てくるのはファンサービスか。
まあこの作者の興味深い点は、それぞれのシリーズの登場人物が、他のシリーズに頻繁に登場して独自の北森鴻ワールドをつくっていたという部分。
今作で香菜里屋シリーズは終わったとはいえ、いずれ他のシリーズで工藤哲也が再登場してまたその話を膨らませる可能性もあったかと考えると、作者の死去によりそれも永遠に無くなったというのは本当に残念。


一緒に収められている「双獣記」は絶筆により、おそらく序章辺りまでで終わってしまっていますが、飛鳥時代というちょっと珍しい時代を舞台にしているのと、登場人物のファンタジックな幻術が続きを期待させる作品。
このあとの展開が気になってしまうので、収録してもらわなかった方が良かったかとも思いますが(苦笑)。


料理の描写が実に美味しそうに感じる、もちろん推理小説としても優れた希有な短編集だったと思います。
また 『桜の下にて花死なむ』から読み返してみたいと思っていますわ。  
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2011年05月24日

我孫子武丸 / 弥勒の掌

我孫子武丸氏の『弥勒の掌(2005年)』。

Miroku

妻が失踪してしまった高校教師と、妻を殺され汚職の疑いをかけられたベテラン刑事の2人の主人公が各章で入れ替わり、最後は2人の妻が関係していた可能性のある新興宗教の教団本部でクライマックスを迎えるという作品。
変則的な叙述トリックものといえる形態なのでしょうが、まあ文庫版で290ページという短さと登場人物の少なさとから犯人の姿は見えてきてしまうかも(汗)。

しかし中盤辺りで「あと半分で収束出来るのか?」と思ったくらい、なかなかに布石は多く内容は濃いですし、展開もスピーディーで良いです。

物語の終わらせ方は、その布石のいくつかを合理的ながらぶっ潰してしまうものなので、ちょっと強引な印象も受けますが。

トリックは実は1点突破ながら、コンパクトかつ展開の速さを楽しめるミステリかと。  
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2011年05月06日

歌野晶午 / 長い家の殺人

今回、初めて読んだ歌野晶午氏の作品。
小説家の作品は、なるべく順を追っていきたいと思っているので、デビュー作の『長い家の殺人』から。

Nagai

作品は、大学生バンド「メイプル・リーフ」のメンバーが関わる殺人事件。
プロローグで犯人が聴いているアルバムが、
Fripp & Eno』の「Evening Star(1975年)
というのは、個人的に馴染みのあるアルバムで嬉しいというかなんというか。

Evening Star

実は事件の真相を暗示するアルバムでもあったりするのは、あとから考えれば「なるほど」とも思いますが。


そのプロローグのあとに紹介される、コード譜付きの"A7"のコードから始まる曲は、弾いてみるまでもなくその"A7"が妙な響き。
曲自体が暗号になっていることもその暗号自体も、ちょっと解けるものではないんじゃないかとは思いますが。

で、殺人事件のトリックは、なぜかほぼすべてわかってしまいました(汗)。
ミステリの解説本かなにかで読んだことがあったのかもしれませんが。
ただ、裏表紙の紹介文にもある
「ミステリー史上に残ってしかるべき大胆なアイディア、ミステリーの原点(島田荘司氏)」
という部分には納得はいきます。
しかし犯人/フーダニットに関しては、"A7"の曲の暗号と同じように、ちょっとわかるものではないのじゃあないかとも。


作品全体の印象としては、やはりデビュー作ならではの粗さなど感じますが、トリックに自信を持って「これでいくんだ」という強い意志は感じます。
ロックバンドの描写が多いこともあって、個人的には面白く読める作品でした。
  
Posted by toshihiko_watanabe at 23:44Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加

2011年04月13日

法月綸太郎 / 生首に聞いてみろ

この間から読み返していた法月綸太郎氏の"探偵法月綸太郎"モノも、『生首に聞いてみろ(2004年)』まで辿り着いてこれが最後。

Namakubi

読み返しなので2回目ですが、犯人等がわかっていてもそれでも面白く読める。
なにより再読でも驚かされるのが、超綿密に構成されたロジックと、結末に向かってバラ撒いた伏線をすべて収束させていく展開。
正に、密度の濃い本格推理小説の傑作だと思います。


本格ミステリ大賞」第5回大賞受賞・「このミステリーがすごい!」2005年1位受賞作のわりには、世間での評判はそこまで良くない印象もありますが、原因としては終盤で探偵が冷めてしまっていて、容疑者を集めて犯人を名指しするといったような、ミステリでお約束的なクライマックスのシーンが無いということもあるのかも。
しかも、その事件のあらましを語るシーン自体には50ページも割かれていたりもするんで。

ただ探偵の側に立ってみれば、この展開の中で犯人の目の前で指名をするのは、実際はただの自己満足かもしれませんし。
"探偵の、推理小説における存在意義"という難題を、以前ほど重くはなくとも抱え続けている筆者には当然の展開だったのかも。


なんにしても、ロジックの展開〜収束という推理小説の非常に重要な点が綿密に組み立てられた、日本の本格推理小説の傑作の1冊だと思います。
  
Posted by toshihiko_watanabe at 23:46Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加

2011年04月04日

我孫子武丸 / 殺戮にいたる病

我孫子武丸氏の『殺戮にいたる病(1992年)』。

Satsuriku

久しぶりに"思いっきり騙された"作品(笑)。


背表紙にあるあらすじでは、

「永遠の愛をつかみたいと男は願ったーー
東京の繁華街で次々と猟奇的殺人を重ねるサイコ・キラーが出現した。犯人の名前は蒲生稔!
くり返される陵辱の果ての惨殺。冒頭から身も凍るラストシーンまで恐るべき殺人者の行動と魂の軌跡をたどり、とらえようのない時代の悪夢と闇を鮮烈無比に抉る衝撃のホラー。」



犯人の名前がしっかり書いてあって、"
ホラー"と定義してある。
で、2ページのエピローグから始まる本編は、犯人逮捕のシーンから。

実際にかなりグロテスクな描写もありますし、読み進めていくうちの印象もホラー。
犯人が逮捕されるのもわかっているので、興味としては探偵サイドがどうやって犯人に辿り着くのかといったところか。

と、読んでいって最後の最後でひっくり返されるという(驚)。
ホラーだと思って読んでいたのがまさかミステリだとは。

珍しく、読み終わってすぐにまた最初から読み返してしまいました。


トリックが1点突破ということもあってか、全体を通してのパワーがものスゴい。
グロテスクな描写は読む人を選ぶとは思いますが、傑作といっていい作品だと思います。
  
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2011年03月25日

法月綸太郎 / 二の悲劇

先日書いた通り、"探偵法月綸太郎"ものを最初から読み返していて、今回は『二の悲劇(1994年)』を読む。

2no

読み返しているということもあって、今作も読むのは2回目。
全容はなんとなく覚えていて、最初に読んだ時に思った(以前の
myspaceブログに書いた筈)"作者の不調"という印象も覚えていたんですが、再読の今回の印象は前回よりかなり変わりました。

序盤に展開される、"きみ"という二人称で描かれるシーンは相変わらずちょっと読みにくいんですが、作品全体を通して数々の『
』が散りばめられる部分には、改めて驚く部分と新しく気づいて新鮮に思う部分と。

これより以前に書かれた『
一の悲劇(1991年)』もそうですが、今作はさらに救いのない結末。
本編最後の2行のやるせなさといったらもう。
この人に"悲劇"とタイトルを付けられたら、読み手はかなり用心して読まないといけないようで(笑)。

正直、最初に読んだ時の評価としては、あまり良いものではなかったんですが、今回は前回よりもずっとグッとくるものがありました。


今作でも、以前の作品『
頼子のために』『ふたたび赤い悪夢』の内容とリンクしている部分がありますが、この時期の作者は"探偵法月綸太郎のストーリーは連続している"という意識がかなりあったのかと。

自分も、歳をとって捉え方が変わってきたのかもしれませんが、"
作品"というのはあくまで""かもしれませんが、作者の中では前作があるから今作があるというような、""の部分があるということ。

同じように、人生での出来事は一見、"
" であるけれども、それが起こる由来を考えれば""であるということ。


前に読んだときより歳をとったのでより深く読めるようになったとは思いたくないですが(汗)、推理小説としても、フーダニットものの変形作品(?)として、傑作だと思います。
それ以上に、恋愛小説として評価してもいいとも思いますが、まあバッドエンドなんて生易しい結末ではないので。

2回目に読んでこれだけ印象が変わる作品というのは初めてでした。
良い経験だと思います。
  
Posted by toshihiko_watanabe at 23:32Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加