イエスの『Yessongs <40th Anniversary Special Edition>(Blu-ray)』。
1973年に映画として公開された作品で、そのあともVHS化・DVD化とされていって、今回収録から40周年でBlu-ray化。
限定3000枚のリリースらしいのだけれど、自分が買ったのがNo. 172。
あまり売れていないのか
レーベル面はピクチャーレーベル。ポストカード付き。
作品自体は高校生の頃にVHSで買って何度も見ているのだけれど、DVDで買い直しはせずに数年前にVHSをまとめて処分したときに一緒に処分。オークションで売ったんだったけな
で、今回数年振りに見られるようになった。
ライヴ盤でも出ている『Yessongs(1973年)』は、イエスの最初の全盛期の演奏が収録された作品で、同時期のスタジオ作品の名盤『Fragile(こわれもの)(1971年)』『Close To The Edge(危機)(1972年)』と同じくらい聴いたアルバム。
ライヴ盤とはいえオーバーダビングもかなりされているのだけれど、しかしスタジオ作品を完全に再現したうえにスリリングな演奏というのはやはりスゴい。
ただ、映像版もライヴ盤もどちらもなのだけれど、音質はあまり良くない。
ヌケが悪くてモノラルっぽく中央に寄ったミックスなのだけれど、今回のBlu-ray盤に収録されているのはモノラルミックスと5.1chミックス。
あの演奏がサラウンドで聴けるのかと期待してしまったものの、実際は高域と歓声なんかを周囲に振った疑似サラウンドのような(汗)。どうやら、マスターテープにモノラルミックスしか残っていなかったということだと思いますが。
サラウンドだとセンタースピーカーからメインのサウンドが出力されるんですが、一般的にいって両サイドのステレオスピーカーの方が性能が良いものを使っているはずなので、モノラルミックスの方が良いサウンドに聴こえるかも。
音質も歪みがあったりして、Blu-rayならではの高音質といった印象はあまりなし。
で、映像の方も、元の映像自体があまり良くないこともあり、Blu-rayだから高画質ということもなく。アスペクト比も4:3(1.33:1)だし。
「Close To The Edge」で演奏の映像に被ってくる微生物や食虫植物の映像もオリジナルのそのまま。
とまあ、ギタリストのSteve Howe(スティーヴ・ハウ)がこの数年後に発表したソロアルバムの曲のプロモーション映像や、現在のメンバーのインタビューがボーナストラックで収録されていたりはするものの、これだったら約4500円もしたBlu-rayじゃなくても、輸入版で1200円くらいで買えるDVDの方で良かったんじゃないかとも
ただいったん見始めると展開される演奏はやっぱりものスゴくて、画質や音質の悪さは忘れてしまって引き込まれてしまう。
ほぼ全曲がスタジオ盤よりかなりテンポアップされながらも演奏は完璧だし、18分にも及ぶ「Close To The Edge」の終盤のRick Wakeman(リック・ウェイクマン)のキーボードソロから登り詰めていくエンディングは、本当に素晴らしい。
スティーヴ・ハウもこの頃はものすごくカッコいいし(笑)、ベースのChris Squire(クリス・スクワイア)のアクションは最高にカッコいい。
やっぱりいつかはリッケンバッカーを買おうと、見るたびに思うな(笑)。
もうちょっと収録曲が多ければとか(「Siberian Khatru」は映像付きで見てみたい)、「Yours Is No Disgrace」はさらに長尺のギターソロが展開されていたライヴ盤の方のテイクだったらとか、もうちょっとこうだったらというのはあるんですが、なんだかんだで70分間見入ってしまった作品なのも事実。
イエスの映像作品では、演奏内容は間違いなく一番の作品だと思うので、思い出したら見るようになるかと思います。