2012年09月10日

Robert Fripp / Love Cannot Bear

King Crimson(キング・クリムゾン)のギタリストでありリーダーのRobert Frippロバート・フリップ)のソロアルバム『Love Cannot Bear: Soundscapes - Live In The USA(2005年)』。
エレクトリックギターを音源のインターフェースとして音を出す"Soundscapes(サウンドスケープ)"のアルバムで、全編アンビエントな作品。

Love Cannot Bear

自分の中でのアンビエントブームは数年おきにちょっとしたものが来るんですが、今回このアルバムを、しかもわざわざ日本盤を買ったのは、Amazonで安かったから(笑)。
定価2625円がなぜか1188円だった。


内容は、まあ相変わらずのサウンドとそれによってつくり出される音空間なんですが、アコースティックギターが奏でられていたりエレクトリックギターのソロが弾かれていたりする辺りは、今までの作品とはちょっと変化をつけているのかも。
エレクトリックギターでのロングサステインが響くソロでは、あのFripp & Enoでの名盤『No Pussyfooting(1973年)』を思い出す瞬間も。

No Pussyfooting

今作はもうちょっと聴いていってから全体を把握したいですが、ロバート・フリップの他のソロ作品で個人的に一番良いと思うのは『1999(1994年)』。

1999

どう良いのかとは非常に説明しにくいですが(笑)、単純に音空間の心地よさといったあたりか。
対して『The Gates of Paradise(1997年)』という作品では、緩急をつけ過ぎている感じで、クレッシェンドから押し寄せる音の洪水は、アンビエントという観点から聴くとちょっと違うかなと。もちろん不安感を感じさせるサウンドもありだとは思うんですけどね。

The Gates of Paradise

自分にとってのアンビエントは、スピーカーの正面で正座して聴く音楽では当然無く、なんとなく部屋で流していたり、本を読んでいるときに流しているBGM的な聴き方がほとんど。
まあだいたいそういうもんだとは思いますが(汗)。
今回はたまたま安かったのでこのアルバムを買ったということで、今が特にアンビエントブームってわけではないんですが、ロバート・フリップの他のアルバムであったりBrian Eno(ブライアン・イーノ)のアルバムなんかを久しぶりに流してみようかと。


  

Posted by toshihiko_watanabe at 23:48Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加

2011年03月02日

King Crimson / Aug 7, 2008 - Chicago - Park West

キング・クリムゾンが"DGM Live!"でダウンロード販売しているライヴ音源(ライヴ"盤"ではないか)、『Aug 7, 2008 - Chicago - Park West』。
今さらですが購入して聴きました。

KC2008

海外のサイトに英語でクレジットカード情報を入れるのは、やっぱりちょっと微かな不安はあり(汗)。
iTunesストアとかだと普通に買ってるんですけども。
ただ、最近の円高のおかげで1000円くらいで買えました(FLAC版)。
CDアルバムで2枚組相当(約1時間53分収録)なんで、まあ安い。


音源は、2008年にベース/Stick奏者のトニー・レヴィンが復帰してドラマーにポーキュパイン・トゥリーのギャヴィン・ハリソンを加えてツインドラムの5人編成となってのライヴ。

90年代のビル・ブラッフォード&パット・マステロット以来となった、今回のギャヴィン・ハリソン&パット・マステロットのツインドラムですが、ステレオに振り分けられた2つのドラムが曲に与える効果と破壊力は凄まじい。
「Sleepless」のようにドラムセクションがリアレンジされて大幅に変わっている曲もあるし。
ブラッフォード&マステロット期がまだアコースティックドラムでのツインドラムで、今回はエレクトリックドラムも入っているということで、また別モノという部分もありますが。

各メンバーの弾くフレーズが微妙に変わっていたりと、さすがに"懐古趣味で再結成するということはないバンド"を体現していると思いますし、モチベーションの高さも感じます。

ただ、バンド全体的にちょっとリハが足りてない感を感じる瞬間があったのも事実。
このままツアーに出るなりレコーディングに入ってくれれば良かったんですが、またバンドは活動停止状態になり、最近ではリーダーのロバート・フリップのライヴ活動からの引退とかいう話も聴こえてきたりして、はたしてクリムゾンの活動自体が今後またあるのかどうか、ということになっているらしいですが。


しかしこの2008年のライヴ音源は、この編成での展開を期待させてくれる出来だったと思います。
ロバート・フリップも今年で65歳と、パフォーマーとしての残された時間が少なくなってきているのは事実でしょうし、まずは目に見えるかたちでのクリムゾンの活動を見せてくれればと。
このまま自然消滅で本当の伝説のバンドになってしまうには、やっぱり惜しいと思います。  
Posted by toshihiko_watanabe at 23:19Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加