歌野晶午氏の"家シリーズ"3作目、『動く家の殺人(1989年)』。
久しぶりにとんでもないミステリに出会ったという衝撃。
はっきり言うと竜頭蛇尾という感想以外にないんですが(爆)。
作品終盤で容疑者を前に、タイトルの『動く家』に大きく関連したトリックが指摘されるものの、あまりに大掛かり過ぎて一瞬こちらを驚かせてくれたそのトリックが空振りで、実際の真相はあまりにあっけないという。
むしろ、主人公の探偵"信濃譲二"が殺害されることの真相の方が力が入ってしまっているというか。
伏線というか、これまでのシリーズと比べての違和感は最初からまき散らされているのもの、こちらの方が読んでいて驚きが大きかったので。
実は"家シリーズ" の前作、『白い家の殺人(1989年)』と、短編集の『放浪探偵と七つの殺人(1999年)』も読んでいたんですが、これらもちょっと期待はずれで(汗)。
歌野晶午氏といえば今やもうベストセラー作家なので、改めてこの"信濃譲二シリーズ"で新作を書いてもらえないかな、とも思うんですけど。