2012年11月26日

King Crimson / Larks' Tongues in Aspic (40th Anniversary Series)

先日ようやく発売された、King Crimson(キング・クリムゾン)の1973年発表の5枚目のスタジオアルバム『Larks' Tongues in Aspic(太陽と戦慄)』の40周年盤。

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今回の40周年盤シリーズは、新たなステレオミックスのCD盤とサラウンドミックスとが収録されたDVDオーディオ盤の2枚組を基本として、スタジオ盤の1stアルバムから8thアルバムまではすでにリリースされていたものの、今作はライヴ映像の権利の許可を取るのに時間がかかってリリースが遅れていたとのこと。
しかし
今回リミックスされていっていた作品の中では演奏者の構成が5人と最も多いアルバムであったり、元々キング・クリムゾンの作品群の中でも最重要に位置されていたアルバムであったということもあり、もったいつけてリリースを急いでいなかったのではとも思えるのですが(笑)。

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今日までにメインで聴いているのは、やっぱりDVDオーディオ盤に収録された「MLP Lossless 5.1 Surround」の音源。
1曲目の「
Larks' Tongues in Aspic, Part One(太陽と戦慄 パート1)」はざわざわしたイントロから不気味に響いてくるバイオリン、そしてクレッシェンドしてくるメインリフがやっぱり超カッコいい。

高校生の頃に初めてアルバムを聴いたときの、この1曲目への理解度というのはまったくもって「???」ってな状態だったのですが、それまで聴いていた音楽とはまったく違ったカッコよさというのは感じていたような。
そんなファーストインプレッションを若干思い出しつつ、後部スピーカーへ振られたJamie Muir(ジェイミー・ミューア)のパーカッションのサウンドは今までのステレオミックスよりはるかに聴き取りやすく、また彼の存在が曲の印象を大きく変化させていることが再確認出来て面白い。

アルバムを通して、今回のリミックスは
ジェイミー・ミューアにスポットライトを当てている印象が強くて、ステレオミックスで収録されたテイクには4曲目の「Easy Money」でのジェイミー・ミューアのサウンドだけを切り出したものも(笑)。

DVDに収録されたこの5人でのライヴ映像はテレビ用のスタジオライヴで、昔LDで見た記憶がありますが、今回収録されたのはそのときはたぶん未公開だった約25分の即興演奏と「
Exiles」と「Larks' Tongues in Aspic, Part One」。
Larks' Tongues in Aspic, Part One」はテレビで放送されたバージョンも収録。そっちは映像と音声がズレていましたけど(汗)。
そのライヴ映像でも
ジェイミー・ミューアはかなりフューチャーされていて、この音もこいつが出していたのかといったところだとか普通のドラムキットを叩いていてもかなり上手かったりといったところは非常に興味深い。
全体的に動きが不審だったり、曲の途中で落ち葉を撒き散らしていたり(爆)と、彼の動きだけをずっと映していてもらいたかったとはかなり思いますが(笑)。


アルバムを締める「Larks' Tongues in Aspic, Part Two(太陽と戦慄 パート2)」は再結成以降のクリムゾンでも幾度となく演奏されていて間違いなくこのバンドの代表曲で名曲ですが、個人的には今回改めてアルバムを聴いて一番印象に残ったのはやっぱり1曲目のLarks' Tongues in Aspic, Part One」。
MLP Lossless」の高音質の恩恵を大きく受けているトラックだとも思いますし、音の分離が良くなって各楽器のサウンドが聴き取りやすくなったことで曲の衝撃度が強まったようにも。


このアルバムの評価としては、「ロックの極北」へ行ってしまったアルバムという評価も目にすることは多いんですが、実際のところこれよりもっとイッてしまっていたりアバンギャルドなサウンドのアルバムはたくさんある。
ただ、聴きやすいメロディだったりサウンドだったりと、緊張感の高い即興演奏の部分とのブレンドが絶妙な、非常にバランスの良いアルバムだったんじゃないかと。


サラウンドミックスはiPodでは聴けませんし、高音質なDVDオーディオ盤は定期的に部屋の5つのスピーカーの真ん中で聴いていこうと思います。


  

Posted by toshihiko_watanabe at 23:59Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加