有栖川有栖氏の『江神二郎の洞察(2012年)』のKindle版。
数年前に紙の本はもう置き場がないので買わないようにしたのだけど、シリーズだと数ヶ月ごとに新刊が出るマンガはKindleで買う習慣が出来たのだけど小説等は切り替えのタイミングを失ってしまっていて単純に買わなくなってしまって、最近になってようやく買ってそして読み終えた。
内容は学生アリスシリーズ初の短編集で、各短編が発表されたのは1986〜2012年の長期間に渡る。
「やけた線路の上の死体(1986年)」が筆者のデビュー作でもあり当然学生アリスシリーズの最初の作品。
長編の学生アリスシリーズとのつながりもあって、「桜川のオフィーリア(2005年)」は長編の『女王国の城(2007年)』でもちらっと言及されていたので、ようやく読めた嬉しさもある。
「蕩尽に関する一考察(2003年)」は、長編第2作の『孤島パズル(1989年)』から登場したマリアが英都大学推理小説研究会に参加する経緯が描かれていて、この作品が並び順では一番最後。発表順ではなく作品内の時系列順なので、ここでようやく長編第2作目の直前になったと。
学生アリスシリーズは長編5作短編集2作となる計画らしいので、ここからあとは短編集第2作に収められるということのよう。
とはいえ長編4作目の『女王国の城(2007年)』からすでに15年が経って、まだ5作目は書かれていない。
『双頭の悪魔(1992年)』から『女王国の城(2007年)』も15年の間隔が開いたけれど、それは更新されるらしい。まあ読者としたら待つしかないし、今回の『江神二郎の洞察(2012年)』を発売から10年経ってようやく読んだ自分にはなにも言う資格は無さそう(汗)。
久しぶりに学生アリスの作品を読んだということで、そのまま紙の本の長編シリーズも読み返し。
やっぱり面白くて、1日1冊ペースくらいで読み進めてしまった。
そしてそれぞれ10年以上は読み返していなかったのだけど、驚くほどに内容を憶えていなかった(爆)。トリックも犯人も忘れてしまっていて、ほぼ新作を読んでいるのと変わらない。
まあおかげで楽しめたのですが、今後10年に1度読み返していけばもう新刊は買わなくて良いということになりかねない……。