島本和彦氏の『アオイホノオ』7巻。
たぶん先月終わりの発売日のすぐあとに買ったのだと思うのだけれど、積んだままだったのをやっと読み終わった(汗)。
おそらく作者の自叙伝になっているであろう、大阪芸術大学(作中では大作家芸術大学)での出来事をデフォルメしつつ描かれている作品。
毎回単行本のオビの文章は超攻撃的だけれども(爆)、今回の本の内容もかなり攻撃的。
原秀則氏のあの『さよなら三角』をバッサリ切っていたり、同じ大学の先輩の矢野健太郎氏の商業誌デビュー作を嫉妬しつつ"体中を使って"読んでみたりと(笑)。
↑カバーの下の表紙。
主人公の島本和彦こと焔燃(ほのおもゆる)はこの7巻の時点で2回生に上がる直前で、東京の雑誌社の編集者から「マンガを見せて欲しい」と電話を受けたところ。
で、見せるマンガは1ページもないままに「あと1・2ページ」と伝え(笑)、そのあとの作中では上記の若手マンガ家たちの作品の批評分析をしているという。
自分ではつくり手に回ること無く批評家になってしまうなんてのはおそらくダメ表現者の成れの果てで(笑)、しかもまたその視点が結局マニアなものでしかないというのは、知識があることでの間違った上から目線(爆)であったり、例えば自分にも当てはまるような、
"あとから振り返れば赤面ものだけれど、当人はやたら一生懸命"
ってことなんでしょうが。
もちろんこの作品に登場している方々は、のちにある程度以上の成功をしている人達なので、今なら振り返って笑えるってことになるんでしょうけれど
作中でバッサリいかれたマンガ家がそれぞれブログで反応しているのはなかなか面白い(笑)。
原秀則オフィシャルブログ
http://ameblo.jp/hidenori-hara/
矢野健太郎のたわごとblog
http://yanoken.blog42.fc2.com/
主人公の焔燃のストーリーと、のちのガイナックスメンバー達のストーリーが交互に進められていますが、実話通りならもう少しで主人公もマンガ家としてデビューする段取りに入りそうな。
作品のテンションは7巻になっても落ち着くどころか上がっていますし、このまま最後まで面白いまま続いていきそうです。