2016年12月11日

The Show That Never Ends...Reprise

3日前の夜に飛び込んできた、『エマーソン・レイク&パーマーのグレッグ・レイクが死去』というニュース。


12月7日に癌のために69歳で死去、とのことで、今年初めのKeith Emersonの自殺から同じ年にEmerson, Lake & Palmerのうちのメンバーの2人が亡くなってしまうとは。
Emerson, Lake & Powellはもう全員が亡くなってしまった……。


当たり前ながら、EL&P以前にGreg LakeはKing Crimson(キングクリムゾン)のオリジナルメンバーでもあったわけで、1stアルバム『In The Court of The Crimson King(1969年)』でも、個人的に一番の衝撃だったのは1曲目の「21st Century Schizoid Man」。
間奏のベースラインが特に印象が強く、そしてそのベースを弾いていたのと歌を歌っていたのがGreg Lake。
EL&Pよりも先に『In The Court of The Crimson King』を聞いたので、自分にはProgressive Rockとの出会いとGreg Lakeとの出会いが同時だったのだなぁとも。

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世間的には、印象的なテナーボイスのボーカリストとしての評価が高いのだと思いますが、個人的には先ほどの「21st Century Schizoid Man」だったり、EL&Pの「Take A Pebble」「Knife Edge」あたりでのアップテンポでのウォーキングベースフレーズの発想がすばらしいベースプレイヤーとしての評価も忘れてはならないかと。フレーズはかなりコピーしたので、影響は多大に受けていますし。
そして、「Lucky Man」「The Sage 」「Still... You Turn Me On」などでのアコースティックギタープレイも印象的なミュージシャンだったかと。



Keith Emersonの時も書きましたが、自分は1996年にEL&Pを渋谷公会堂で観たのが最初で最後で、生きているいないに関わらず今後彼の演奏を観る機会はほぼ無かったと思いますが、1度でも生で観たことがあって、かつ幾度となくアルバムを聴き続けまた影響を受けたミュージシャンが亡くなってしまったことはやっぱり悲しい。
記録された音楽なりビデオではこれからも彼のサウンドは聴き続けるのですが。

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ありがとうございました。
さようなら。


  

Posted by toshihiko_watanabe at 23:44Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加

2016年03月16日

The Show That Never Ends.

先週土曜日の12日早朝に飛び込んできた、『エマーソン、レイク&パーマーのキース・エマーソンが死去』というバッドニュース。


その後に自殺であるということが伝わってきて、それが病気による自身のパフォーマンスの低下を悩んでいたことが原因?等の情報も入ってきて、90年代以降に指の動きにトラブルを抱えているということはもともと知っていたので、プロフェッショナルな悩みによることだったのかなぁとも。
とにかく残念。



タイムリーにもちょうど先週は、Emerson, Lake & Palmerの初期作を順番に聴いていたのですが。
The Nice (1966〜1970年) 〜 Emerson, Lake & Palmer(EL&P)(1970〜1980年, 1992〜1997年) 〜 Emerson, Lake & Powell (1986年) 〜 3(Three) (1988年) というのが、Keith Emersonの代表的なバンドキャリア。


そんなEL&Pでの作品も、個人的には初期の作品がピークかと。
デビュー作のスタジオアルバム『Emerson, Lake & Palmer(1970年)』から『Brain Salad Surgery <恐怖の頭脳改革>(1973年)』に、ライヴアルバム『Welcome Back My Friends To The Show That Never Ends... Ladies and Gentlemen(1974年)』まで。

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この頃の作品でのKeith Emersonは、プレイはもちろん、作曲とキーボードアレンジでも非常に非凡で独創的な面が多くて、今聴き直しても驚きと興味深い点が多々。
メロディーに対するカウンターメロディーだったり(ヴォイシングして和音でぶつけたり)、基本的に裏メロのセンスがキレていた時期だったのではないかと考えていますが。
Tarkus(1971年)』の表題曲は今聴いても本当にスゴいし、ライヴアルバム『Pictures At An Exhibition <展覧会の絵>(1971年)』での超絶アグレッシブな演奏も聞き飽きない。


しばらく間隔を空けてからリリースされたスタジオアルバム『Works Volume 1 <四部作>(1977年)』でも、「Pirates <海賊>」は個人的にはけっこう好きなのだけれど、これ以降にKeith EmersonもEL&Pも再びピークを迎えられなかったのは、各自のアイデアの出尽くしに加えて、Keith Emersonが進化に貢献したシンセサイザーの"音色"にも寄る部分もあるのかなと???

シンセサイザーという楽器は、1970年代前半はKeith Emersonがタンスのようなサイズのモーグ・シンセサイザーをステージに持ち込み、その後彼が進化に貢献してサイズが小さくなったミニ・モーグでさえモノフォニック(単音のみで和音が出ない)な状態が続いたのですが、モーグの音の太さというものは唯一無比のもので、しかしその後ポリフォニックのシンセサイザーが出てきたものの、今聴き返すと音色の厚みに欠けるへっぽこなサウンドのものがほとんどで、その辺も彼のキャリアには(結果論ながら)マイナスだったのかもしれませんが。



そういえば、今回の訃報を受けてTwitterでは、「Keith Emersonといえば『幻魔大戦』(1983年公開の角川アニメ映画。Keith Emersonが作曲で参加)」というツイートを多く目にしたのですが、その幻魔大戦のサントラも80年代ということで、個人的には最初に聴いた時からそんなに印象は良くない(爆)。
思い出補正などで、音楽というのは十人十色に違って聞こえるのでしょうけれども。



EL&Pを1970〜1975年にリアルタイムで、例えば15歳くらいで聴いていたとしたら今は50代後半〜60歳代になるのに対して、1983年の『幻魔大戦』を15歳でリアルタイムで観た人は今48歳前後なので、単純にTwitterをやっている人が多いのがその世代、ということだけな気はしますが。
自分はさらにそのあとの世代なので、CDでアルバムを聴いていった結果「Keith EmersonといえばEL&P」になってしまう。



ちなみに、自分が今までに行ったライヴ or コンサートで一番音量が大きかったのは、1996年の渋谷公会堂でのEL&Pのもの。
EL&Pのパフォーマンス自体もスゴかったのだけれど、その音量のスゴさにもビビった(爆)。
もう20年前で、Keith Emersonが指の手術をしたりとかの情報もあった頃なのだけれど、70年代と同じようにハモンドオルガンを引きずり回してナイフを突き立て、倒したオルガンの下敷きになりながら逆から弾きまくるKeith Emersonには全員満足していた記憶。
会場全員を納得させる、最高のパフォーマーだったということも強く憶えています。



↓最近ではほぼ買わない(爆)、ツアーパンフレットから。10月12日の公演だったよう。

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今回のブログタイトルはもちろん、スタジオアルバム『Brain Salad Surgery』収録の超大作「Karn Evil 9: 1st Impression-Part 2」の歌詞の一節であり、EL&Pのコンサートの最初に毎回アナウンスされ、ライヴアルバムWelcome Back My Friends To The Show That Never Ends... Ladies and Gentlemen』のタイトルでもあるフレーズから。

"終わりなきショーへ、またようこそ友よ"

ショーは終わってしまったのかもしれませんが、録音された作品は残ってこれからも聴き継がれていく。
ありがとうございました。
さようなら。


  
Posted by toshihiko_watanabe at 20:57Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加

2012年03月15日

Emerson, Lake & Powell / Live In Concert

Emerson, Lake & Powell(エマーソン・レイク&パウエル)のライヴ盤『Live In Concert(2003年)』。
中古で安かったので購入。定価の2800円はちょっと出す気にはなれない(笑)。

ELP

1970〜1980年、1992〜1997年と活動したEmerson, Lake & Palmerと同じ頭文字のELPで、1986年のスタジオ盤と1回のツアーのみで解散してしまい、またコージー・パウエルが1998年に事故死しているために伝説化しているEL & Powell。
このアルバムに収録されているのは1986年10月4日の演奏だそう。

EL & Palmerの再結成後2回目の来日がたしか1996年ですが、それなりに人気が再燃していたと思われるその頃にもなんでEL & Powellのオフィシャルでのライヴ盤が出ていなかったのかは不思議なんですが。
今回のこのアルバムも、日本盤の発売は2010年。


で、このライヴ盤ですが、音質はオフィシャルで出せるレベル。
なぜもっと早く発売がされなかったのかが改めて不思議になるくらい。

グレッグ・レイクのベースギターのサウンドは、EL & Palmerのライヴ盤でのものよりもギラギラにギンギンしていますが(汗)。
まあ実際のライヴであったりオーディエンス録音/録画されたEL & Palmerのライヴでは、こういったサウンドであったような気もするんで、ミックスで補正しなかったらこのベースギターのサウンドが実際のものに近いのかも。
ボーカルは、若干高い音を出すのを避けているようなところもあって、この時期が彼の声域の低下の始まりだったのかも(汗)。

コージー・パウエルのドラムは間違いなく80年代の彼のもの。
重いサウンドはカール・パーマーとはまったく違うので、バンドをまた違うものに仕立てているんじゃないかと。
単純にカール・パーマーより上手いってのもありますが(笑)。


アルバムは、1曲ごとにフェイドインアウトされるので臨場感的な部分はイマイチですが、スタジオ盤と同じ1曲目の「The Score」からキース・エマーソンのデジタルシンセが分厚く鳴り響く。この曲のような鳴らし方ならデジタルシンセならではの意味もあるんじゃないかというような使い方。
やっぱりこの曲はカッコいい。



アルバムの後半は、EL & Palmerのライヴと同じようにインスト曲やメドレーものが多くなりますが、4曲目で演奏されている「Pirates」は、コージー・パウエルの派手なドラムが曲に新しい解釈を与えているテイクじゃないかと。
オリジナルはEL & Palmerの『Works Volume 1(1977年)』 で、オーケストラを大フューチャーしたアレンジで録音されていますが、この曲はもっと評価されて良いような。

アルマジロと戦車が合体したキャラクターの闘いを音で描いた『Tarkus(1971年)』はもちろんEL & Palmerの大傑作ですが、マンガチックな曲展開や仰々しさの抑揚というのはこの「Pirates」もかなり良い出来だと思うので。



伝説化していたこのバンドのライヴ音源が普通に聴けるようになったのは良いことだと思いますし、出来もなかなか。
スタジオ盤1枚だけしか残さなかった彼らの活動内容を補完するのに、良いライヴアルバムなんじゃないかと思います。  
Posted by toshihiko_watanabe at 23:07Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加