2016年11月29日

Yes LIVE@Bunkamuraオーチャードホール

昨日28日は、渋谷のBunkamuraオーチャードホールで『YES(イエス)』のコンサートを観戦。

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YESの来日は2年ぶりで、こちらも観るのはその2年前の東京ドームシティホール以来
去年ベーシストのChris Squire(クリス・スクワイア)が亡くなって、もうYESの演奏を観る意味もないかとも思ったのですが、友だちが誘ってくれたので。

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来場者全員に配られていたクリアケース。

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今年の夏以降にドラマーのAlan White(アラン・ホワイト)が健康上の問題からアメリカツアーには不参加になって、代役のドラマーとしてWorld TradeやASIAのメンバーだったJay Schellen(ジェイ・シェレン)が参加しているということは聞いていたのですが、今回の日本ツアーからJay Schellenもツアーには帯同しつつAlan Whiteが復帰との情報。
しかしステージにいたのはJay Schellen。その辺の説明は現地ではまったくなかったのですが。

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ちなみにクリアケースに挟まれていたフライヤーには、
「『Tales From Topographic Oceans(海洋地形学の物語)(1973年)』より2曲を完全再現。ライヴ盤の『Yessongs(1973年)』からのベストセレクション!」
と謳っていたものの、1曲目から3曲目までは『Drama(1980年)』からの3曲……バンドとウドーの間の意思疎通が出来ていなかったのか(笑)。

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セットリスト

1. Machine Messiah
2. White Car
3. Tempus Fugit
4. I've Seen All Good People
5. Perpetual Change
6. And You And I
7. Heart of The Sunrise

20分休憩

8. The Revealing Science of God (Dance of The Down)
9. Leaves of Green('The Ancient' (Giants Under the Sun)からの抜粋)
10. Ritual (Nous Sommes Du Soleil)

アンコール
11. Roundabout
12. Starship Trooper



あとから調べてみたら自分はJay Schellenのドラムは、World TradeにASIAのアルバムではもちろんBilly SherwoodのソロアルバムだったりChris SquireとBilly SherwoodのプロジェクトのConspiracyのアルバムでも聴いてきていたよう。
彼も56歳と若くはないのだけれど、さすがに今のAlan Whiteとはパワーが違って前回観た時に気になったドラムの問題が一気に解決した感。
YESのドラマーとしてベストなのかはわかりませんが、少なくとも現在のYESには良い人選だったのではないかと。

Alan Whiteは「Ritual (Nous Sommes Du Soleil)」の終盤からJay Schellenと入れ替わって、そのままアンコール2曲もプレイ。
しかしそれ以前の曲と比べると、明らかにバンドのサウンドがパワーダウンしてしまった印象でしたが……。



個人的には、今回観られて良かったなと思ってまた全編本当にすばらしかったのは、Billy Sherwood(ビリー・シャーウッド)。
彼は、1980年代後半に再度ボーカリスト不在になったYESにボーカリスト候補として関わったのがYESとの歩みの始まりのはずですが、1994年のTalkツアーではサポートとして参加。自分はこの時に武道館で観たのですが。
そして『Open Your Eyes(1997年)』から、キーボーディスト/ギタリストとしてついに正式メンバーに。
Igor Khoroshev(イゴール・コロシェフ)が正式なキーボーディストとして参加した『The Ladder(1999年)』ではギタリスト並びにソングライターとしてYESを支え、しかしその後脱退したというのが彼のYESのメンバーとしてのキャリア。

で、去年病気でツアーに不参加になったChris Squireの代役として、今度はベーシストとしてツアーに参加。そのままChris Squireが亡くなってしまったので、ベーシストとしてYESに再度正式メンバー入りしたというのは、よく考えるとなかなかとんでもない変遷。
実は生前のChris Squireの思惑通りだったりするのかもとさえ思えますが。

弾いているベースギターはリッケンバッカーではないものの、機材はまったく同じなのか???と思うほどChris Squireに近いサウンド。ビッグマフやらブラスマスターやらを引き継いでいるのかもしれませんが。
彼がYESのベーシストに収まったことは、実際の演奏を観て文句をつけることは出来ないのではないかと。コーラスはChris Squireとはまた声質が違うのですが、Billy Sherwoodはリードボーカルも取れるレベルのボーカリストでもあるし、曲にマイナスになることはなかった印象。

「And You And I」の中盤以降でChris Squireが吹いていたハーモニカのパートは、やっぱりBilly Sherwoodがハーモニカを吹いていて、ここはちょっと感無量になった瞬間。



第2部の『Tales From Topographic Oceans(海洋地形学の物語)』からの長尺曲2曲(1曲約20分ずつ)には圧倒感はありましたし、行く前の期待の低さということはあるにしてもまあまあ満足。
というか、今回強く思ったのは、YESというバンドは本当にメンバーを入れ替えながらずっと続いていくのかもしれないという感触。
今回にしてもオリジナルメンバーはついに誰もいなくなったけれど、YESというバンドのメンバーである限りYESらしい演奏をしてしまう(笑)ようにも思うし、10年後も30年後もひょっとしたらYESはツアーを続けているのではと思ってしまいました。

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ちなみに、来日公演も決まってフライヤーも出来ていた、元YESメンバーが組んだアンダーソン, ラビン&ウェイクマンのARW。
Jon Anderson(もう72歳!)は年齢もあってパフォーマンスが不安だけど、Trevor RabinとRick Wakemanはそんなに弾けなくなっているとも思えないし、さて観に行くかどうしようかと。
しばらく考えてみます……。

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Posted by toshihiko_watanabe at 22:10Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加

2014年11月27日

Yes LIVE@東京ドームシティホール

ということで、25日は『YES(イエス)』のライヴ観戦。
開場時間後に東京ドームシティホールの方へ移動。

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東京ドームシティホールは初めて入ったのだけれど、新しくて会場内はけっこう狭くて(ステージと客席が近いという意味で)良い。
まあ座席の前後も狭くて、人の出入りは大変な感じでしたが。

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ちなみにイエスのライヴを観るのは、前々回の来日の2003年9月以来だったよう。東京国際フォーラムで観たはず。
その前は、1994年10月に日本武道館で。もう20年前だ(汗)。


今回のツアーは、新ヴォーカリストのジョン・デイヴィソンを迎えて制作したスタジオ盤をリリースしてのツアーなのだけれど、『Fragile(1971年)』『Close To The Edge(1972年)』をアルバムの曲順通りに演奏するというのがメインテーマ。
ということで、ABWHのオープニングだった「Young Person's Guide To The Orchestra」をイントロに、いきなり「Close To The Edge」でライヴはスタート。

「Close To The Edge」を生で観たのは実は初めてだったのだけれど、やはりスゴい曲。
アルバム発表当時のバンドの演奏力だったり勢いというものはとうに無いのだけれど(汗)、曲がバンドを引っ張っているようにも感じる。
続く「And You And I」も、このバンドのアコースティックな面とシンフォニックなアレンジが昇華された、やはり素晴らしい曲。

驚かされたのは「Siberian Khatru」。
なんと、遅くない(爆)。というか、少なくとも2000年以降では最速かも。

イエスが、よく言えば円熟悪く言えば衰えたという曲テンポを示現しだしたのは、20年前のメンバー構成に戻してライヴ録音とスタジオ録音で構成されたアルバム『Keys To Ascension(1996年)』からだと思いますが、その1曲目だったライヴテイクの「Siberian Khatru」のテンポが遅かったことが個人的には強い印象。
同じく1曲目に「Siberian Khatru」が置かれた名ライヴ盤『Yessongs(1973年)』のハイテンションと速いテンポとどうしても比べてしまったもので。

今回の演奏は、さすがにテンションは比べられないもののテンポはスタジオ盤より速い?というくらいの演奏で非常に良かった☆
やれば出来るじゃないか、という思いもあったりで、個人的には笑ってしまいましたが。


新作『Heaven & Earth(2014年)』から「Believe Again」「The Game」の2曲を演奏して、『Fragile』全曲へ。

ちなみに、『Fragile』『Close To The Edge』をなぜアルバム発表順に演らないのか?とはちょっと思ったものの、ステージを通してだとこの曲順の方が良いのかも。


アルバム『Fragile』全曲演奏で感じたのは……このアルバムは、バンドの演奏4曲と各メンバー主体の短いソロ曲の組み合わせアルバムだけれど、ソロ曲がやはりライヴでは微妙(爆)。
クリス・スクワイアのベースソロ「The Fish」はやはり彼の独壇場で、ホール中に鳴り響く歪んだリッケンバッカーサウンドはやっぱりものスゴかったけれども。


他のメンバーそれぞれの印象としては、ギターのスティーヴ・ハウは年齢による衰えはさんざん言われていて、自分もそう思っていたのだけれど、演奏を観るとやはり彼でないとならない部分が大きい。
思っていたよりははるかに弾けていたし、今のイエスというバンドトータルのサウンドとしては結局彼でないと成り立たないところが大きいのかと。

ボーカルのジョン・デイヴィソンは、これはもうバンドのイメージをぶち壊さないように歌っていると思うし、非常に伸びのあるハイトーンボーカルに文句を言う部分はないのではないかと。
オリジナルボーカリストのジョン・アンダーソンももう70歳になって、今までのパフォーマンスだったり長期のツアーが難しいということであれば、ジョン・デイヴィソンとイエスを継続していく方が当然の選択肢なのかも。

キーボードのジェフ・ダウンズは、正直微妙(爆)。
彼の得意な演奏スタイルとしては、やっぱり大成功したバンド『エイジア』での白玉を主体としたコードバッキングであろうし、70年代前半のイエスの曲を演奏するにはスタイルが違いすぎてムリがある感が。
弾けなくてフレーズを端折っているのかな?という箇所も多かったし、どうせ演るなら彼が参加しているアルバム『Drama(1980年)』『Fly From Here(2011年)』の方がスタイルを活かせるのではと。

ドラムのアラン・ホワイトは、見ていて全編キツかった(汗)。
ハイテンポな「Siberian Khatru」にも合わせてはいたのだけれど、手が動かないのか全体的にフレーズを端折っている箇所は多かったし、なにより気になったのがアクセントでシンバルを入れない箇所が多かったこと。
ちょっと限界にきているのかなぁと、残念。


ステージの方は「Heart of The Sunrise」で本編が終了して、アンコールは「I've Seen All Good People」と「Owner of A Lonely Heart」。
前日は「Owner of A Lonely Heart」の代わりに「Starship Trooper」だったそうですが。
しかし、アラン・ホワイトが「Starship Trooper」と間違えた???
いったん止まった後に、スティーヴ・ハウが「Owner of A Lonely Heart」のギターリフを弾き始めて強引にスタート(笑)。


「思っていたよりは良かった」というのが大前提なものの、とはいえ満足できるライヴでした。
歳をとったとはいえ、長期のツアーをずっと続けているやっぱりプロのバンドだったなぁと。

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Posted by toshihiko_watanabe at 00:01Comments(0) このエントリーをはてなブックマークに追加