2012年03月26日

Phil Collins / Testify

Phil Collinsフィル・コリンズ)のスタジオ盤『Testify(2002年)』。
ず〜〜〜っとスルーし続けてきて、今回やっと購入。発表から10年経っていた(汗)。

Testify

1980年代に大ヒットを飛ばし続けた彼も、90年代以降のアルバムではかなり落ち着いたサウンドと曲調になって、このアルバムも『Both Sides(1993年)』『Dance Into The Light(1996年)』と同じ路線。
まあセールス的にも落ち着いてしまっていて(爆)、このアルバムではついに本国のUKチャートでも振るわなくなってしまったようなんですが。

たしかに『Both Sides』とその前作『...But Seriously(1989年)』では狙ったサウンドもまったく違うんですが、『...But Seriously』というアルバムはさすがにUK・USチャートそれぞれで1位になるのも当然ともいえるポップミュージックの完成形を見せていたので、『Both Sides』はその完成形とはまったく別な方向を向いてつくったとも思えるので、売り上げが伸びなかったのはしょうがないのかも。

しかしまあ、『Both Sides』『Dance Into The Light』と、単純にアルバムとしての完成度がイマイチに感じるのも事実なんですが、この『Testify』は完成度的には前作前々作を超えているんじゃないかと。
サウンドと曲は相変わらずのフィル・コリンズ節で、ゆるやかなメリハリとともに本当に安心して聴けるアルバム。
アルバム終盤のハイライトが「Can't Stop Loving You」というカヴァー曲なのは、
ソングライターとしても当然優れている彼のアルバムとしてはちょっと残念ですが。



フィル・コリンズはこのあと2007年に、かつて在籍したジェネシスでツアー(離婚の慰謝料の為だとかも(爆))。
ツアー終了後の2008年に引退。
2010年にモータウンソングのカヴァーアルバム『Going Back』で復帰。
2011年にまた引退(爆)、という活動になっていますが、すでに61歳の彼が今後また復帰するのかはともかく、『Testify』は現時点で彼の最後のオリジナルアルバム。
もうちょっと早く聴いていても良かったなと思う、地味ながら渋い良作だったかと思います。 
  

Posted by toshihiko_watanabe at 23:50Comments(0)TrackBack(0) このエントリーをはてなブックマークに追加